「非常戒厳」許さなかった韓国市民 民主化の犠牲者に「恥じぬよう」

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聞き手・箱田哲也
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 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が突如宣告した「非常戒厳」は、同国のみならず世界を震撼(しんかん)させたが、市民や政治家らが映画さながらに軍人に立ちむかい、わずか数時間で撤回に追い込みました。人々はなぜ行動したのか。できたのか。隣国の民主化の歩みを静かに見つめ、寄り添ってきた真鍋祐子さんに聞きました。

憲法破壊する泥棒行為」

 ――「非常戒厳」の報を聞いた時、まず何を思いましたか。

 「私は韓国の民主化運動の犠牲者の遺族会と30年間、交流し、研究してきました。ニュースを見た瞬間、犠牲者や遺族らの顔が頭の中にわっと浮かんで来て、尹大統領へのえも言われぬ憤りを覚えました」

 「韓国は1987年に民主化されました。その際の6月抗争で催涙弾を受けて亡くなった李韓烈(イハンニョル)さんのお母さんが、かつて私に話してくれた言葉を思い出しました。彼女は泣きながら、こう言いました。韓国の民主化は多くの犠牲の上にもたらされた。なのにその民主化にあぐらをかいて、何ごともなかったかのように振る舞うのは、犠牲者の命をむだに盗む泥棒みたいだと」

 「軍を使って人権を侵害しようとしたこの非常戒厳は、犠牲の上に勝ち取った憲法を破壊する行為で、彼女の言葉を借りれば泥棒そのものだと思います」

 ――幸いにも「非常戒厳」は早期に収束しました。国会には多くの市民たちがすばやく駆けつけ、兵士らともみ合いになりました。なぜこんな行動がとれたと思いますか。

 「韓国の歴史で、非常戒厳令

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    倉田徹
    (立教大学法学部教授)
    2024年12月20日10時12分 投稿
    【視点】

    大変多くを教えられるとともに、強く同意、共感できるインタビューです。  民主主義の体制を壊されることがいかに大きな恐怖であるか、体験から理解していた韓国の国民が暴挙を許さなかったこと、国会や軍にも民主国家の常識が浸透し、適切な行動がとられた

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