「核の脅威は目前に」 ICANのメリッサ・パーク氏に聞く平和賞
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞授賞式には、2017年に平和賞を受けた国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のメリッサ・パーク事務局長の姿もあった。ノルウェー滞在中、朝日新聞のインタビューに応じ、「この授賞は核保有国やその同盟国に核廃絶を呼びかける警鐘だ」と話した。
パーク事務局長は滞在中、日本被団協の代表団と面会したほか、ノルウェー国会前で国会議員に平和を願う折り鶴を渡すイベントにも被爆者らと共に参加した。
日本被団協の受賞について、「とても重要なこと。被爆者たちが幼少期のトラウマの再体験を繰り返しながら証言を続けてきた勇気こそが、核兵器禁止条約の実現につながった」と評価した。
核兵器の保有などを全面的に禁じる同条約には、米国のような核保有国や、その「核の傘」に守られる日本などは参加していない。
パーク事務局長は「核兵器は存在する限り、故意にせよ誤りにせよ使用される。核の脅威は目前に迫っており、核兵器廃絶以外に選択の余地はない」と指摘。「いまこそ、核兵器保有国だけではなく、日本やノルウェー、そして私の母国オーストラリアも含めた同盟国は核禁条約に参加し、核兵器を地上から一掃するべきだ」と強調した。
日本被団協、ノーベル平和賞
日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)は、1956年8月に結成された広島・長崎の被爆者でつくる全国組織です。2024年にノーベル平和賞を受賞しました。関連ニュースをお伝えします。[もっと見る]