「性別は男女のみ」 トランス否定の大統領令「公権力によるヘイト」

有料記事トランプ再来アメリカ大統領選挙2024

二階堂友紀
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 米国のトランプ大統領は20日(日本時間21日)、「生物学的な男女」のみを性別として認めるとの大統領令に署名した。出生時に決められた性別と性自認が異なるトランスジェンダーや、男女の枠組みにあてはまらないアイデンティティーを持つノンバイナリーの権利を否定するものだ。米国で何が起きているのか。日本の当事者はどう受け止めているのか。

 トランプ氏は支持者らに予告していた通り、就任初日に反トランスの大統領令に署名した。

 旅券など政府発行の身分証の性別記載は、出生時に決められた「生物学的な男女」とし、さらに「X」など男女以外の表記は認めない。刑務所や拘置所を出生時の性別で分けるほか、刑務所がホルモン剤など当事者に必要な医療を提供することも認めない。政府機関の宿泊施設などを出生時の性別で分けるための措置や、「ジェンダーイデオロギー」に対する資金提供を終わらせる措置も求めた。このほか政府職員に出生時の性別に基づく申告を求め、学校における性的マイノリティーの生徒支援をうたった教育省の文書などを撤回させるとしている。

大統領選中から繰り返された、反トランス主張

 「政治的な戦略によって、人…

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この記事を書いた人
二階堂友紀
東京社会部
専門・関心分野
人権 LGBTQ 政治と社会
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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2025年1月21日21時52分 投稿
    【視点】

    「人口の1%」、「静かに暮らしている」トランスジェンダーの人たちがなぜここまで政治に利用され、ヘイトに晒されなければならないのか。「多様性とインクルージョン」「誰も取り残さない」などの近年の人権重視のスローガンを全力で否定し逆走する政策や姿

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