「横断歩道マン」動画で交通事故防止へ啓発 運転手の「邪鬼」倒す

北村浩貴
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 ドライバーの心の隙間に入り込む「邪念の鬼」を倒せ――。横断歩道の交通事故防止に向けた啓発のため、岡山県警岡山南署がオリジナルキャラクター「横断歩道マン」の動画を制作し、YouTubeの県警公式チャンネルで公開中だ。信号機のない横断歩道での車の一時停止率が、岡山県が全国ワーストという2021年の調査結果を踏まえ、動画では「横断歩道は歩行者優先で」と呼びかけている。

 横断歩道マンは横断歩道がデザインされた署のキャラクターで、交通安全イベントの啓発活動で活躍してきた。動画は昨年12月から公開。タイトルは「横断歩道マン最大のピンチ! レジェンド降臨」だ。構想に約半年、撮影から編集まで約3週間かかったといい、手作り感あふれる4分12秒の動画となっている。

 動画では、事故を引き起こすドライバーの慢心や焦り、怒りといった心に宿る要因を「邪鬼」という名の悪役に見立てた。横断歩道マンが、横断歩道で歩行者の安全を守っていたところに、邪鬼にとりつかれたドライバーが運転する車が突っ込んでくる。横断歩道マンは倒れて動けなくなるが、そのピンチに新キャラ「横断歩道マンレジェンド」が現れる――という筋立て。

 レジェンドが邪鬼を相手に繰り出す奥義「ダイヤモンドエクスカリバー」は、信号機のない横断歩道の手前に描かれる道路標示のひし形のマークをモチーフにしている。

 日本自動車連盟(JAF)が2021年、信号機のない横断歩道で、車の一時停止率を調べたところ、全国平均が30.6%だったのに対して、岡山は10.3%にとどまりワーストだった。横断歩道マンも、信号機のない交差点で歩行者のために車が一時停止するという歩行者優先ルールの周知や徹底を図ろうと誕生させたものだ。

 県内では昨年、横断歩道での人身事故が165件(前年比2件増)あり、歩行者4人(同2人増)が死亡。1月15日の県議会常任委員会では、県警の宝満智彦交通部長が、重点項目の一つとして「信号機のない横断歩道での歩行者優先の徹底」を挙げて、対策に取り組んでいくと説明している。

 横断歩道マンの動画のURLは、https://www.youtube.com/watch?v=RB3_9vgxm3M別ウインドウで開きます

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この記事を書いた人
北村浩貴
岡山総局
専門・関心分野
地方行政、地方政治、文化財、民俗学、スポーツ