トランプ関税が発動、その背景にある合成麻薬「フェンタニル」とは
ワシントン=高野遼
トランプ米大統領が1日、メキシコとカナダ、中国からの輸入品に関税をかけると発表した。その理由として挙げられているのが、合成麻薬「フェンタニル」の存在だ。なぜ薬物問題が、関税の発動を引き起こしたのか――。
就任直後の1月23日、トランプ氏は関税をかける理由についてこんな説明をしていた。
「中国は、大量の粗悪な麻薬を送り込んでいる。フェンタニルという、本当にひどいものだ。そのほとんどがメキシコ経由で入ってくる。そのせいで年間30万人の命が失われている」
この数字の根拠は不確かだが、政府の統計によれば米国における薬物過剰摂取による死者数は約10万人にのぼる。うち7万人以上を占めるのが、フェンタニルに代表される合成麻薬による死亡例だ。
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