パスポートも公文書複写もキャッシュレスに 宮城県庁が全面導入へ
行政手続きの支払いは全面的にキャッシュレスの時代に――。パスポート取得や建設業許可申請など、宮城県が窓口で対応する569の手続きが2月からクレジットカード、電子マネーやQRコード決済で支払いが可能となった。このうち134の手続きは順次、申請から支払いまで全てオンラインで完結できるようにする。
業務を効率化し、利便性を向上するために県が進める「DXによる変革みやぎ」の一環で、手数料を窓口で支払う必要がある手続きの9割がキャッシュレス対応となった。
3日午前には、県庁内のパスポートセンターに新たに置いたセルフレジで、キャッシュレス決済を県職員が実演。パスポートの申請書類のバーコードを機械に読み取らせ、表示の手数料をクレジットカードで支払った。
支払いが終わると、専用の機械から出てくる納付済みを示すシールを受け取り、書類とともに窓口へ提出する仕組みだ。セルフレジでは、パスポート以外の手続きの支払いも可能。窓口の対面手続きの際にも支払い可能な小型のモバイル型決済端末も置いている。現金支払いも受け付ける。
県は昨年9月以降、運転免許センターなど15カ所で扱う3の手続きで先行してキャッシュレス決済を導入したが、今回は一気に147カ所で569の手続きに対象が拡大。県庁、各合同庁舎にセルフレジ8台を新たに置き、モバイル型決済端末は170台増やし185台とした。
一方、県の「収入証紙」取り扱いは10月以降の販売をやめ、使用期限は来年3月末までの予定だ。県は来年度末までに、県立高校の受験料なども含めて全キャッシュレス化を目指すとしている。
2月からキャッシュレス決済可能となった主な手続き
・公文書等の複写
・不動産鑑定業者登録
・食品営業許可
・調理師、栄養士の免許申請
・パスポート申請
・薬局開設許可
・県立高校の卒業証明書発行
・漁船登録
・屋外広告物申請
※ただし、一部保健福祉事務所では未導入
4月以降にキャッシュレス決済可能となる主な手続き
・消防設備士法定講習の講習料振り込み
・県立高校の入学試験料、入学金振り込み
・各警察署での車庫証明書発行
(県の資料から)