敬老パス優待縮小案、高齢者からも賛同意見 「再考を求める」陳情も
札幌市が検討している「敬老パス」(敬老優待乗車証)制度の優待縮小案に寄せられたパブリックコメントの結果が14日、市議会厚生委員会で報告された。
意見総数は457件(期間は昨年12月16日から36日間)。市が過去に10区で開いた意見交換会の出席者は「ほぼ高齢者」だったが、今回は現行制度の対象外の世代(70歳未満)からの意見も4割超にのぼった。市は「幅広い世代の意見収集ができた」などと総括している。
見直し案は、財政状況や人口構造の変化などを理由に「当面は制度を存続させるが、2026年度から対象を75歳に引き上げ、自己負担割合を引き上げる」――などとする内容。
パブコメ全体の4割(192件)は「賛同」「現行制度廃止」意見だった。そのうち、4割弱が70歳以上からの意見。「現行制度の維持」を求めたのは全体の5割弱(209件)で70歳以上が目立ったが、これには「部分的には見直しを支持」も含まれる。
秋元克広市長はこうした結果なども踏まえ、見直し案は「各世代から一定程度のご理解をいただいた」などと述べ、2026年度から導入の前提で、開会中の議会に提案した予算案にシステム改修費などを盛り込んでいる。
ただ、この日の委員会では市民団体から「再考を求める陳情」が提案されたほか、一部議員から「制度存続」を求める署名が年末までに5万5千筆集まったことを念頭に「結論ありきで進められてきたのではないか。市民の声を真摯(しんし)に受け止めるべきだ」との声もあがった。
市は近く、市のホームページで届いた意見を全件公表する。