雪山の源泉点検中に遭難、死亡の3人 硫化水素吸引か 福島
福島市町庭坂の高湯温泉にある「花月ハイランドホテル」の支配人ら3人が遭難したと18日、福島県警が発表した。3人は同日正午までに発見され、3人の死亡が確認された。硫化水素を吸った可能性もあるとみて、死因を調べる。
県警によると、亡くなったのは福島市町庭坂の同ホテル支配人の椛島豊久さん(63)、同市西中央3丁目の同ホテル従業員の星野博人さん(56)、同市丸子の同ホテル従業員の佐藤幹也さん(67)。17日午後2時ごろに3人で同市町庭坂湯花沢の山中に入ったという。
同日午後8時過ぎになり「3人が戻らない」とホテル関係者が110番通報した。ホテルによると、2週間に1度の源泉施設の定期メンテナンスのためだったという。ホテルに残る従業員男性は「いつもより積雪量が多かった」と話した。
18日午前9時から県警の機動隊員や消防隊員ら約20人が源泉付近を中心に捜索を始めた。同10時過ぎから正午ごろにかけて、ホテル北側の山道入り口から約100メートルの源泉に向かう途中の積雪の中で倒れている3人を発見。福島市消防本部によると、3人は現場で医師による死亡が確認された。現場付近は毒性の強い硫化水素ガスの濃度が高く、救助は難航したという。
県によると、17日午前7時半時点の高湯温泉の積雪深は110センチ、18日の同時点では146センチだった。
高湯温泉は、福島市中心部から直線距離で西に約15キロの位置にある温泉地。吾妻連峰のふもとの標高750メートルほどに位置し、「東北の草津」とも呼ばれることがある。高湯温泉観光協会のHPによると、開湯から400年を超える歴史があるという。硫黄泉として知られ、この日もホテル周辺では温泉独特のにおいが漂っていた。