仙台―山形の高速バス、10~18%ほど値上げへ コスト増で4月に

福留庸友
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 宮城交通(仙台市泉区)は4月1日から、宮城県山形県をつなぐ生活の足となっている高速バス「仙台―山形線」を10~18%ほど値上げする。理由について「コロナ禍からの利用回復は頭打ちとみられ、人材確保や燃料費のコストが増加しているため」と説明している。

 同社によると、この路線は、仙台市中心部とJR山形駅前を結び、平日37往復、土日祝日29往復を運行。1便あたり30人近くが乗る。観光利用のほか、通勤・通学に利用する客が多い「稀有(けう)な高速バス」(同社)という。

 値上げ後は、大人の運賃でみると、片道は千円から1100円に、2枚回数券は1800円から2100円、1カ月の通勤定期は3万6千円が3万9600円、1カ月の通学定期は2万7千円から2万9700円となる。この路線で値上げするのは、大人の片道運賃が950円から千円に値上げした2021年4月以来、4年ぶり。

 現在の利用者数は、コロナ禍前の18年度と比べると9割程度にとどまる。現在は赤字路線ではないが、利用者数が頭打ちの状況でコスト増が進むと便数を減らさざるを得ず、利便性を損なう可能性があると判断した。

 同社は13日、東北運輸局に運賃改定を届け出た。認可は必要なく、4月1日に値上げするという。

 一方、17日には、同社と同じ運賃体系で山形市と仙台市を結ぶ高速バスを運行する山交バスも、4月から同様に値上げすると発表した。

◆宮城交通の高速バス「仙台―山形線」の値上げ一覧

 券種 現在の運賃 値上げ後の運賃 値上げ幅

 片道大人 千円 1100円 10%

 小児・大人障害者割引 500円 550円 10%

 2枚回数券大人 1800円 2100円 17%

 2枚回数券小児 900円 1050円 17%

 6枚回数券大人 5100円 6千円 18%

 通勤定期1カ月 3万6千円 3万9600円 10%

 通勤定期3カ月 10万2600円 11万2900円 10%

 通学定期1カ月 2万7千円 2万9700円 10%

 通学定期3カ月 7万6950円 8万4600円 10%

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この記事を書いた人
福留庸友
仙台総局|おもに行政担当
専門・関心分野
東北、東日本大震災、メディア論