変わりゆく銀行の古い人事慣習 年功序列廃止、20代で年収2千万も

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山本恭介
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 年功序列を始めとする、メガバンクで長く続いてきた賃金や人事制度の抜本的な見直しが始まった。入社年次と給与を切り離したり、転勤制度を柔軟にしたり。行員の働きがいと働きやすさを高める動きの背景には、人材獲得競争への危機感がある。

 三井住友銀行は来年1月以降、年齢が高いほど給与が上がる年功賃金の制度を廃止し、役割や成果を重視した仕組みに変える。20代でも貢献次第で役割が重くなり、年収2千万円を超えるケースもあり得るという。

 転勤制度も改め、転勤のある総合職などを対象に、転居が伴う異動の可否や勤務地を選べるようにする。転勤する従業員には追加の手当を支給するという。

 従来の銀行業界では、新卒で入行してから各地の支店を経験。年次や年齢を重ねるにつれて賃金が上がる人事制度が長く続いてきた。これを大きく見直す動きだ。

 他のメガバンクでも、みずほフィナンシャルグループは2024年度から新たな人事制度を始めた。給与体系に「役割給」を導入し、年齢や経験年数にとらわれない若手の抜擢(ばってき)を可能にした。三菱UFJ銀行は25年度に、全ての従業員が転居の可否を選べるようにし、転居を伴う異動の場合には最大180万円を支給する。

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この記事を書いた人
山本恭介
経済部兼国際報道部兼デジタル企画報道部|銀行担当
専門・関心分野
資産形成、社会保障、労働政策
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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2025年2月21日15時48分 投稿
    【視点】

    働きがいと働きやすさを大きく左右する配属先は会社(人事)のサジ加減。上司や先輩、同僚に恵まれるかどうかは運次第。それは、古い人事慣習が変わったとしても変わらない。そんな声も聞こえてきそうな記事だ。

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    首藤若菜
    (立教大学教授=労働経済学)
    2025年2月22日14時4分 投稿
    【視点】

    賃金制度や人事制度は、常に変化していくものです。この記事にあるような変化が、働き方をどのように変えるのかは、今後の運用をみていくことが肝要です。 さて、メガバンクのみならず、初任給の引き上げがニュースになっています。大卒初任給が30万円を

    …続きを読む