学校現場は、こうした責任所在の不明瞭な、行き場のない不自由な問題にあふれている。食品ロスの関連で言えば、毎日一定量残るパックの牛乳を廃棄処分にするのはもったいない、という問題も未解決のまま放置されている。5年ほど前に、大阪府堺市の教員が残っ
労働力としての外国人材をこれほど欲していながら、所管する官公庁においては「移民」というワードはいまだなお、禁句中の禁句というのが暗黙の了解事項だという。特定技能の人気が高まる背景にあるのは、長時間勤務や転職の魅力だけでない。その先にある「特
殴り書きの省略文字で埋め尽くされた記者ノートは、いつか文化遺産になるのかもしれない。ぐるぐる囲んだ部分にも、余白に書き足した「?」や「⭐︎」にも、追加取材につながる意味があった。何がニュースなのか、踏まえるべき背景を見落としていないか、自分
「オール沖縄」系市長がゼロにーーーという切り口のこの記事は、基地問題が沖縄県内では一時期ほどには重要視されなくなった、風化しつつある、との印象を読者へ与えかねない。取材者の現地との距離や、肌感覚、踏み込み具合、運動量次第では、メディアが独自
インスタントに獲得したテクニックを使いこなし、目の前の事象を切り抜けることが最優先。深い考えなしに行動に移し、自分自身の本当の価値や魅力にも、他者が被る不利益にも関心が及ばないーーー。そんな人々の意識は、闇バイトに向かう若者にとどまらず、も
弊社でも、日本のものづくり関連企業とベトナム・ホーチミン市内の大学の連携をサポートする機会があり、互いを必要とし合う「企業」と「大学」双方の熱を目の当たりにしています。企業は人材確保、大学はマーケット感覚に即した経験とノウハウがそれぞれ期待
沖縄県内の多くの公立小学校では、始業式や終業式、修了式で「式服登校」を求めることが慣例です。白の襟付きトップスに、黒か紺のズボンやスカート。TPOにふさわしい服装を、という指導方針のもとで長く続けられてきた恒例のものでしたが、どうも、入学・
日本の戦後政治とメディアの変遷を振り返る上で、研究対象ともなる存在。媒体の規模に関わらず、取材者としてメディアの仕事に関わったことのある人なら、渡辺恒雄氏の存在については賛否の感情を含め、違いなのか一致点なのか、自分自身の取材アプローチや考
新年が明け、いよいよ米トランプ政権が発足します。国際秩序が崩れ、法の支配を超越した権力が都合よく現状変更を迫ってくる流れが本格化すると思われます。時代の大転換に伴い、日本政府が「唯一」と固執し強行してきた辺野古の新基地建設にもゼロベースの見
「栄養」、つまり「食」がもたらす健康への影響が国際社会の普遍的課題として取り上げられる動きに注目しています。飢餓による栄養不良から過剰摂取による成人病まで、社会の状況によって影響の中身に違いはありますが、後者の段階になると、食料の安定供給の
「ファミマ」発祥の地は埼玉県狭山市ということですが、「ファミチキ」発祥の地は沖縄県です。2000年にエリアフランチャイズの沖縄ファミリーマートが、米軍施政権下で米国の食文化に親しんできた県民の嗜好に着目してフライドチキンを発売し大ヒットした
記事にある地方都市の先行事例として。沖縄県で「億ション」の増加が話題になったのは10年ほど前から。県外からの移住による住居目的だけでなく、リゾート開発を当てこんだ投資目的の購入も増え続け、「県民の手に届かない物件価格」は今や中心市街地だけの
米軍基地を共通項に「沖縄」と「グアム」を眺める際に私たちが認識するべきは、両地域がともに大国にとって「セカンドクラス」の位置づけにあるという点です。このことは10月に海兵隊の移転先であるグアムの「キャンプ・ブラズ」を訪れ、現地の人との対話か
北欧のフィンランドがロシアの対応をめぐって極東の日本に協力を求める理由に、深く納得できるものがあります。「日米同盟」の最大の出現地帯である沖縄から垣間見えることです。 2017年、ある北欧の国の大使が非公式で沖縄県を訪れ、当時の翁長雄志知
「連鎖の根本」が沖縄戦や現存する米軍基地から派生していることは「仮説」の段階を超えて、目を背けることができない事実だと捉えています。その根本原因を沖縄県に集中投下している政府は具体的な解決策を示す必要があります。ですが、有効な手立てが施され
海外を訪れる際にはできるだけ、その街にある戦争博物館を訪れるようにしている。ここ数年の間では台湾、ベトナム、シンガポール、グアム、ハワイ、ワシントンで各地における「戦争の視点」に触れた。多くで共通して印象に残るのは、真珠湾攻撃から原爆投下、
日中共同世論調査がなぜ成立し得たのか、その経緯を知ることができる興味深い記事です。設問項目をめぐって「説得」から「受け入れ」に至るやり取りの現場には、日中双方に考え抜かれた態度と言葉を伴う真摯な向き合いがあったのではないかと想像します。日本
沖縄県の「米ワシントン事務所」の設置をめぐっては、翁長雄志県政時代に基地問題に関する情報収集と発信を主な任務に掲げたこともあって、与野党のスタンスの違いを反映し、完全に「政争の具」と化している状況です。沖縄県が手続きに関する説明責任を怠った
「沖縄戦記・鉄の暴風」は沖縄戦の実相を埋もれさせまいと、終戦からわずか5年というまもない時期に地元紙沖縄タイムスの記者たちの執念によってかき集められた記録集です。国の機関や軍人、米軍が残した記録に対抗して、徹底して住民の経験を元に編まれた先
兵庫県知事選の結果と、そこに至る一連の経緯を見ながら、トランプ大統領再選にも通ずる人々の内面部分での変節を感じずにはいられません。「尊厳」「美意識」「美徳」のような社会通念上、正義を身にまとう公職者の資質として当然に求められてきた品格や信頼