米人気YouTubeユーザー、動画の毎日投稿を中止

リオ・ケリオン テクノロジー・デスク編集長、BBCニュース

ローガン氏による毎日更新の動画投稿は、多くが1動画あたり300万回以上再生されている

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画像説明, ローガン氏による毎日更新の動画投稿は、多くが1動画あたり300万回以上再生されている

YouTube上で最も人気を集め多くの議論を呼ぶユーザーの一人、ローガン・ポール氏(23)が29日、動画を「毎日」投稿するのをやめると明らかにした。

ポール氏が2016年9月に開始した「デイリー・ブログ」 には、現在1700万人が登録している。ポール氏は29日に投稿した動画で、「(自分の)創造性を別のやり方で生かして」みたいと述べた。また、YouTubeチャンネルとして登録者数が1000万人に到達するまでに要した時間が史上最短だったのには自分の貢献があったと自賛した。

しかし、昨年末に日本を訪れた際、自殺者と見られる人物を撮影したことで批判を受け、投稿は1カ月の間停止されていた。

批判の声が高まるなか、YouTube社は一時、ポール氏の動画の全ての広告を停止。YouTube上で人気のチャンネル視聴者に向けて広告を配信する仕組み「グーグル・プリファード」からは現在も同氏のチャンネルを除外している。

日本での動画について謝罪したものの、自らのスタイルを貫くポール氏は、以降も行動を穏やかなものにする様子を見せていない。

ポール氏はここ数カ月も、洗濯洗剤のジェルボールを飲み込もうかと冗談を飛ばす、魚を池からすくい上げて心臓マッサージをしているように見える動画を投稿するなどしており、一番最近では、ポール氏が友人のわき腹あたりを数回蹴ったり、その後友人がポール氏の頭部を繰り返し殴ったりするけんかごっこの動画を投稿している。

ただ、ある専門家はポール氏が自らの視聴者を理解しており、視聴者も同様にポール氏の投稿を楽しみ、ポール氏のオリジナル商品を購入していると述べた。

Logan Paul videos

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ニュースサイト「テンエイティ」の共同編集長アレックス・ブリナンド氏は、「ローガン氏は思想的指導者かなにかの地位に立とうと試みているが、若い視聴者を引き付けるよう、楽しく、羽目を外した、ふざけたやり方を選んでいる」と語った。

「しかし、ポール氏の視聴者の多さとその年齢から、ポール氏は権威的な地位にあり、若い世代だけでなくYouTube利用者のコミュニティ全体にとっての代弁者にもなっている」

「疲れ果てるか、やり続けるか」

ポール氏はこれまでに合計で536の動画を毎日更新で投稿してきた。ただ、最近の数週間は更新しない日も何日かあった。

ユーチューバーが投稿数を徐々に減らしていくやり方は、一般的には米ニューヨークを拠点に活動するケイシー・ネイスタット氏が有名にした形式だと考えられている。

ネイスタット氏は2016年8月に休止するまでに534日連続で動画を投稿してきた。同氏はオレンジのように「果汁の残りがなくなるまで」表現手段を搾り出したと語っている

しかし、ネイスタット氏は最近、「368」という名のより作りこまれた毎日更新動画のシリーズを南アフリカの動画製作者ダン・メイス氏との共同作品の一部として始めた。

他の著名な毎日更新の動画投稿者を以下にまとめた――。

「毎日更新の動画投稿者たちは通常、2つの道に分かれていく。自身や投稿支援チームを疲れ果てさせるか、投稿し続けられるように人生の形式を構築し始めるかだ」とブリナンド氏は語った。

「後者には、動画投稿を始めた時には多くの投稿者が考えもしなかったような大きなライフスタイルの変化が含まれる。だから、多くの人が燃え尽きてしまうのも不思議はない」

著名ユーチューバーとして知られるケイシー・ネイスタット氏(左)とダン・メイス氏は他のビデオやポッドキャスト製作者を支援する新たなベンチャー企業を作ろうと計画し、その様子をドキュメント映像に収めている

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画像説明, 著名ユーチューバーとして知られるケイシー・ネイスタット氏(左)とダン・メイス氏は他のビデオやポッドキャスト製作者を支援する新たなベンチャー企業を作ろうと計画し、その様子をドキュメント映像に収めている

ポール氏の場合、同氏は現在、動画投稿を止めて生まれた時間を、インターネット上でのトークショーや、今年後半に予定している別のユーチューバーKSI氏との2回のボクシングの試合への練習に使おうと計画しているという。

「そのあとは音楽の世界に飛び込もうと思っている」とポール氏は付け加えた。「新しいビジネスの冒険を始めたい」。