ダウンパンツの特徴
ダウンを使った衣類には、ジャケットだけでなくパンツもあります。まずはダウンパンツの特徴や、知っておきたい注意点を見ていきましょう。
ダウンパンツの特徴・注意点
保温性が高く軽量・コンパクト
ダウンパンツの魅力は、何といっても保温性の高さです。ゴワゴワした見た目とは裏腹に、軽量でコンパクトに収納できることも特徴です。
特に小屋やテントでの休憩時には、足元を温めるアイテムを持っておきたいところでしょう。ダウンパンツが1枚あれば十分な保温力を発揮するため、パンツの重ね着で歩きにくい思いをせずに済みます。
中にはハーフパンツタイプもあり、レギンスと合わせておしゃれに着こなすことも可能です。1枚あると、登山をはじめとした幅広いシーンで活躍します。
水ぬれには注意が必要
ダウン製品の弱点は水ぬれです。水にぬれると保温力が落ちるので、雨の日には注意が必要です。しかし、近年でははっ水性の高いものや防水加工が施されたものも登場しており、天候をあまり気にしなくてよいダウンパンツも増えました。
水に強い加工をされていないダウンパンツには、事前に防水スプレーをかけて対策しておくのがおすすめです。
防水・はっ水加工がされていれば、ちょっとしたお出掛けからウィンタースポーツまで幅広く役立つので、ぜひチェックしておきましょう。
洗濯は専用の中性洗剤で
ダウンは天然素材である羽毛を使っているため、弱アルカリ性の洗剤では羽毛のたんぱく質にダメージを与えてしまいます。ダウンパンツを洗濯するときは中性洗剤を使いましょう。洗濯する前にはウェアの洗濯表示をチェック。一般的には、以下のような手順となります。
- 部分洗い
- 押し洗い
- すすぎ
- 脱水
- 乾燥
表面が少し汚れている程度なら、部分洗いだけで問題ありません。本格的に洗濯をするときは、洗濯機に入れるのではなく、桶や浴槽にお湯をためて押し洗いします。脱水と乾燥には様子を見ながら洗濯機を使いましょう。
表面は乾いていても内部が湿っている可能性があるので、風通しのよいところでよく干して完全に乾かすのが理想です。
ダウンパンツの選び方
初めて購入する人に向けて、ダウンパンツの選び方を解説します。紹介するポイントを押さえて、自分に合った1本を選びましょう。
ダウンパンツを選ぶポイント
保温性は「FP(フィルパワー)」でチェック
FP(フィルパワー)とは、羽毛の重さに対してどれだけふくらみがあるかを表す数値のことです。数値が高いほど保温力が高く、高級であることを意味します。具体的には、羽毛1オンスに対してのかさ高を立法インチで表します。
一般的に高品質といわれているのは、700FP以上のものです。一般的なアパレルなら、500〜700FPが基準となるでしょう。
なお『ダウン』が使われているウェアには、フェザーとダウンの2種類の素材が含まれています。ダウンの割合が高いほど保温力も高く、価格も高くなります。ダウンはフェザーよりもFP値が高いためです。
生地の耐久性で選ぶ
中身のダウンだけでなく、表面生地の素材にも注目しましょう。生地の素材によって、耐久性や防水・防風性・透湿性・伸縮性などが変わるためです。生地に使われている有名な素材には、以下のようなものが挙げられます。
- ゴアテックス
- バリスティックナイロン
ゴアテックスは、防水性と透湿性を両立させた画期的な素材です。水は通さず空気を通すため、長時間着用しても蒸れる不快感がありません。
バリスティックナイロンは、元々は軍事用に開発された素材で、通常のナイロンよりも耐久性に長けています。比較的激しい運動が想定される登山やツーリングにおすすめです。
その他の機能で選ぶ
保温性以外の機能面にも注目すると、より満足のいくダウンパンツが見つかります。ダウンパンツの主な付加機能は以下の通りです。
- UV加工
- 静電気防止加工
- 収納バッグ付き
登山中は高所で紫外線の強いところを歩くケースが多いでしょう。紫外線は生地の劣化につながるため、登山で着用するならUV加工を施したパンツが向いています。
着脱時に起こる静電気が気になるなら、静電気防止加工が施されたものがおすすめです。また、コンパクトに収納できるバッグが付いていると、持ち運びやすくなります。
保温力が高いダウンパンツ
FP800以上の高い保温力を誇るダウンパンツを3つ紹介します。生地の加工や機能面にも注目しながら見ていきましょう。
ナンガ「マウンテンロッジダウンパンツ(メンズ)」
FP860と保温性が高いポータブルパンツです。膝部分にストレッチ素材を用いることで、運動時の軽快な動きをサポートします。表地には10デニールのリサイクルナイロンを採用しており、薄さと軽さが特徴です。
ダウンの使用率は93%なので、高い保温性と軽量性を両立しているといえます。別売りのバッグに入れて持ち運べるのも便利です。動きやすさに配慮されているため、休憩時だけでなく運動時にも活躍するでしょう。
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジダウンパンツ
モンベル「ライトアルパイン ダウンパンツ」
FP800の『EXダウン』を採用したダウンパンツです。通常のダウンボールよりも大きいため、多くのデッドエアによって高い保温力を発揮します。
負荷がかかりやすい尻・膝の部分は生地を2重にすることで、耐久性を高めています。裏地には20デニールのバリスティックナイロンとタフタを使用しているので、破れにくく安心です。
帯電防止加工が施されていて、静電気も起きにくくなっています。帯電防止効果は洗濯しても劣化せず、半永久的に効果を発揮し続けます。
mont-bell(モンベル) ライトアルパイン ダウンパンツ Men's
モンベル「スペリオダウンニーロングパンツ」
同じくモンベルのダウンパンツで、男女兼用タイプです。ライトアルパイン ダウンパンツと同じ800FPのEXダウンを使用しており、軽量かつ高い保温力を誇ります。
丈はひざ下あたりまでとなっており、スキーブーツを履いたときに干渉しない設計が魅力です。
軽さ・薄さ・耐久性を兼ね備えた素材を採用していて、運動を邪魔しません。さらに、はっ水加工と帯電防止加工も施されているため、着心地がよく耐久性も高くなっています。
mont-bell(モンベル) スペリオダウンニーロングパンツ
スリムなシルエットのダウンパンツ
ダウン素材を使った衣服は、ゴワゴワしていて格好が悪いと感じる人もいるかもしれません。しかし、中にはスリムなシルエットですっきりと着こなせるものも多くあります。見た目が気になる人におすすめの、スリムなシルエットのダウンパンツを紹介します。
ナンガ「ミニマリスムダウン パンツ」
山岳ガイドが監修した、登山にぴったりのダウンパンツです。両サイドにはフルオープンタイプのファスナーを搭載しています。シューズやブーツを脱がずに着脱できる仕様です。
ファスナーの開け具合を調節すれば、ベンチレーションとしても使えます。登山時に体温が上がりすぎたときに、ファスナーを開けることで通気性の確保が可能です。
FPは770と冬のアウトドアにも申し分なく、生地の超はっ水加工で悪天候でも劣化の心配なく使えるでしょう。
NANGA(ナンガ) ミニマリスムダウンパンツ(メンズ)
機能性に優れたおすすめのダウンパンツ
デザインや特殊加工により、高い機能性を備えたダウンパンツを紹介します。使い勝手を重視する人は、ぜひチェックしましょう。
ザ・ノース・フェイス「アコンカグアパンツ」
高い保温力を誇る定番のダウンパンツです。中わたには遠赤外線効果をもつ光電子ダウン(ダウン72%、レーヨン20%、フェザー8%)を使用。高度な洗浄技術により、汚れを徹底的に除去したクリーンなダウンが高い保温性を確保します。
両脇のファスナーは全開できる仕様。足首部分はスリムなシルエットになっていて、シューズやブーツを履くときの邪魔になりません。
20デニールのリップストップナイロン生地は、はっ水性があり、多少の雨や雪ならはじいてくれます。
同モデルのジャケット・ベストも販売されているので、セットアップでそろえるのもよいでしょう。
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) アコンカグアパンツ(メンズ)
まとめ
ダウンパンツは軽量で高い保温性を発揮し、寒さが厳しいアウトドアシーンで活躍するアイテムです。太めのシルエットに抵抗のある人は、スリムシルエットのモデルを選べば、おしゃれに妥協せず履けるでしょう。
ダウンは水ぬれに弱いため、はっ水加工がされたモデルもおすすめです。FP値が高く保温力に優れたモデルを選ぶと、寒さが厳しい季節のアウトドアに重宝します。生地の耐久性や特殊加工もチェックしましょう。
お気に入りのダウンパンツが見つかれば、冬のキャンプが楽しく快適なものになるはずです。