ダラス連銀総裁、利下げ巡り懸念表明-経済の過剰や不均衡拡大も
Christopher Condon、Rich Miller-
「最終的には制御が困難かつ面倒になる恐れがあると懸念」
-
経済見通しの下振れリスクが高まったことは認める
米ダラス連銀のカプラン総裁は24日、利下げ巡って懸念を表明した。
カプラン総裁はダラス連銀が公表した評論文で、「現時点で金融刺激を増やせば米経済の過剰と不均衡が一段と拡大し、最終的には制御が困難かつ面倒になる恐れがあると懸念している」と指摘した。
同総裁は、今年の米経済が底堅い成長を示し、労働市場の完全雇用が続くか、それ以上の状態になるというのが自分の基本的な予想だと説明。「さらに、信用のコストと利用可能性という金融状況は歴史的水準からみて特に力強い」と述べた。
カプラン総裁の慎重姿勢は、7月の利下げをほぼ確定的とする金融市場の見方と対照的だ。フェデラルランド(FF)金利先物の動向によれば、投資家は来月の利下げをほぼ100%織り込んでおり、利下げ幅を0.5ポイントとする予想もある。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁もその1人だ。
カプラン総裁は、「貿易を巡る緊張と不確実性がこの2カ月で大幅に高まり」、設備投資を圧迫している上に製造業の生産鈍化の可能性もあると述べ、「見通しの下振れリスクが高まった」ことを認めた。しかし、それでも利下げの準備はまだ整っていないとし、「米金融政策のスタンス変更が適切かどうかを考える上で、より多くの時間をかけて状況の変化を見守るのが賢明だろう」と指摘した。
同総裁は今年、連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持たない。
原題:Fed’s Kaplan Says He’s ‘Concerned’ Rate Cut May Fuel Imbalances(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE