アマチュアのスクイーズに屈したメルビン-掲示板で標的、力関係変化
Katherine Burton、Hema Parmar-
レディット掲示板「GMEスクイーズとメルビン終わり」の書き込み
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メルビンはショートスクイーズに屈服しカバーを余儀なくされた
ヘッジファンド運営会社メルビン・キャピタルの創業者で、最高投資責任者(CIO)を務めるゲイブ・プロトキン氏にとって、最初のトラブルの兆候が表れたのは昨年10月後半のことだった。
個人投資家に人気のオンライン掲示板「レディット」の人気ページ「wallstreetbets」への書き込みが、これまで大いに成功してきたメルビン・キャピタル(運用資産額125億ドル=約1兆3000億円)を標的としていることが分かった。
「Stonksflyingup」と称するユーザーが、ビデオゲーム販売の米ゲームストップのティッカー(GME)とメルビン・キャピタルに言及し、「GMEの(ショート)スクイーズ(踏み上げ)とメルビン・キャピタルの終わり」と掲示板に書き込み、やがて別のユーザー「veryforestgreen」が「メルビン・キャピタル新たなショート攻撃」、さらにもう1人のユーザー「 greekgod1990」が「メルビン対WSB(wallstreetbets)!GMEは月まで昇る」と追加の書き込みを行った。
2014年にスタートしたメルビン・キャピタルを標的とする個人投資家の攻勢は、わずか数カ月前には考えられないようなやり方でパワーバランス(力関係)を変化させた。メルビンは27日までにアマチュア投資家のショートスクイーズに屈服し、ゲームストップのショートカバー(空売りの買い戻し)を余儀なくされた。
メルビン・キャピタルの「過ち」と呼べるものがあるとすれば、市場に足跡を残したことだ。レディットのユーザーは、メルビンがショートにしている株式の銘柄を特定できた。その銘柄に一斉に買いを入れて株価の急騰を引き起こし、成功するはずだったメルビンの賭けは、結局失敗した。
メルビン内部の考えに詳しい関係者の1人は、「足跡を残すな。プットオプション(売る権利)を買うのは店頭だけにしろ」が一つの明らかな教訓だと話した。
メルビンは年明けから先週までの損失が約30%に達し、ケネス・グリフィン氏率いるファンド運営会社シタデルと、プロトキン氏(42)のボスだったスティーブン・コーエン氏のポイント72アセット・マネジメントに支援を仰いだと25日に発表された。
シタデルとポイント72、メルビン支援-ゲームストップ空売りで損失か
メルビンの担当者は運用成績に関するコメントを控える一方、過去数日のうちにポートフォリオの再調整を行ったとした上で、「メルビン・キャピタルが破綻するとのソーシャルメディアの投稿は完全に誤りだ」と反論した。ポートフォリオの再調整にもかかわらず、26日時点でメルビンの損失は拡大した。
原題:Reddit Crowd Bludgeons Melvin Capital in Warning to Industry (1)(抜粋)