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輝き失ったアップル株、AI製品での出遅れに投資家は我慢の限界

  • EV撤退は歓迎もAI分野での進展にウォール街はしびれ切らす
  • 強気派は2025年にiPhone「スーパーサイクル」到来と予想
An Apple store in New York.
An Apple store in New York. Photographer: John Taggart

アップルが電気自動車(EV)開発を中止し、そのリソースを人工知能(AI)プロジェクトに振り向けるという決断は、1年前なら投資家を喜ばせていたかもしれない。しかし、アップル株の低迷は深まるばかりだ。

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  ティム・クック最高経営責任者(CEO)は先週の株主総会で、アップルがAIで「新天地を切り開く」と語った。ただ実際のAIへの取り組みについて詳細はほとんど明らかにしていない。投資家はしびれを切らしており、株価は年初来(4日終値時点)で9%下落。時価総額はマイクロソフトを下回った。5日は一時5%を超える下落となっている。

   ハンティントン・プライベート・バンクのシニア株式アナリスト、デービッド・クリンク氏は「アップルがいかに長期にわたってキラープロダクトを出していないかに注目が集まっている」と指摘。「アップル株の保有者にとって、エヌビディア株などの動向を目の当たりにするのは明らかに辛いはずだ」と述べた。

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  アップルのEVからAIへの方向転換は、主力製品「iPhone(アイフォーン)」の売れ行きが低迷し、中国での販売台数が今年最初の6週間に前年同期比で24%減少する中での動きだ。ここ数年で最大の目玉商品である複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro(ビジョン・プロ)」が有意な形で売上増に貢献するのもまだ先のことだろう。

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  ウォール街ではアップルに対する懐疑的な見方が強まっている。 ゴールドマン・サックス・グループはアップルを「コンビクション(強い買い推奨)」リストから除外。エバコアISIも戦術的アウトパフォームリストからアップルを外した。

  アップルのEV撤退は広く歓迎されてはいるものの、アナリストが期待しているのは同社が独自の生成系AI製品をリリースすることだ。サムスン電子はAI機能を搭載した旗艦スマートフォン「ギャラクシー」の新機種を発表している。

  ウェイブ・キャピタル・マネジメントのチーフストラテジスト、リース・ウィリアムズ氏は「サムスンはすでに生成系AIスマホで多くの好意的な話題を集めているが、アップルにはまだそれがない」と指摘。「アップルには現在の相場を勢いづけている要素が一部欠けており、そのために少し出遅れている」と語った。

  アップル株の強気派は、同社のAI強化で投資家は忍耐強くあるべきだと話す。メリウスのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、新たなAIサービスがiPhoneの買い替え需要を促し、2025年に「スーパーサイクル」が始まるとみている。

  同氏は「今は深呼吸する時だ」とし、現在世界で使用されているアップルの端末数22億台のうち99%は「アンドロイド端末に乗り換えることはないのだから、『復活』の公算は大きい」と述べた。

  また長期投資家は、アップルにとって後発であることは今に始まったことではないと語る。

  ウェルス・アライアンスのロバート・コンゾCEOは、AIサイクルの初期段階でアップルを除外するのは間違いだと指摘。「アップルは自分たちが最も得意とすることをしている。AIブームを生かして自社製品をどう位置づけるか、腰を据えて構えているようなものだ」と話した。

原題:Apple Stock Gloom Deepens as Pressure to Show AI Progress Mounts(抜粋)

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