ハリス氏支持率、対トランプ氏でバイデン氏上回る勢い-選挙戦一変か
Gregory Korte-
ハリス氏、トランプ氏との差がバイデン氏よりも小幅-世論調査
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若者や女性など傍観に回っていた有権者が投票に戻ってくる可能性
バイデン米大統領が2024年の大統領選を撤退し、その後継者としてハリス副大統領を支持する決断を下したことは、献金や予測市場、支持者数において、今回の選挙戦に即時の影響をもたらした。
世論調査がこれに追随するかどうかは今後数日に分かるだろう。
バイデン氏による21日の撤退表明以来、初の主要な調査となったモーニング・コンサルタントの全米世論調査で、ハリス氏の支持率は45%と、共和党候補のトランプ前大統領(47%)に2ポイントリードされている。ただし、これは誤差の範囲内だ。バイデン氏は離脱前に6ポイントの差をつけられていた。
ハリス氏の名前が投票用紙に載ると、民主党の助けになり得ると考える理由がある。最近の世論調査では、ハリス氏の方がトランプ氏との直接対決でバイデン氏よりも良い結果を出している。
ハリス氏とトランプ氏の代替対決を示す世論調査では、過去何か月にもわたって、ハリス氏はバイデン氏を数ポイント下回っていた。これらにはブルームバーグ・ニュース/モーニング・コンサルトによる激戦州での調査も含まれ、バイデン氏がトランプ氏に4ポイントの差をつけられる中、ハリス氏はトランプ氏に7ポイントのリードを許していた。
6月下旬に行われた討論会でのバイデン氏のパフォーマンスが振るわなかったことで、この構図が変わり始めた。7月初旬までに、トランプ氏との直接対決でハリス氏はバイデン氏を上回り、21日時点でリアルクリアポリティクスの平均値では1.6ポイント優位となった。
一方でトランプ氏は先週の共和党全国大会後に支持率が上昇し、ファイブサーティーエイトの全米世論調査の平均値では、バイデン氏に対してこれまでで最大のリードを築いていた。
しかし、さまざまな人種の血を持つ59歳の候補者という選択肢が現れたことで、これまで傍観者に回っていた一部の人々、特に若者や女性、人種的マイノリティーの有権者が投票に戻ってくる可能性が出てきた。
エマーソン大学の世論調査員、スペンサー・キンボール氏は「これは選挙戦を変える可能性がある。仮定の状況では捉えられない歴史的な意義があるためだ。今はそれを目の当たりにしている。大きな変化をもたらす可能性がある」と指摘した。
バイデン氏がすでに指名確実な候補者だったため、ハリス氏を支持するのをためらっていた民主党員もいたかもしれないと、キンボール氏は話す。そのような有権者は、今やハリス氏を支持するとはっきりと言うことができるだろう。民主党全国大会を8月に控え、党の候補指名を目指しハリス氏に挑戦すると表明している著名な民主党員もいない。
とはいえ、ハリス氏の躍進は長続きしない可能性もある。有権者の支持政党は僅差で割れており、バイデン氏の討論会パフォーマンスやトランプ氏の暗殺未遂事件、共和党大会といった衝撃的な出来事でさえ、世論調査の平均値を合計3ポイントしか動かさなかった。
「選挙戦が一変したことで、どう転ぶかはこれから分かるだろうが、レースが落ち着くには民主党大会までかかるだろう」とキンボールは話した。
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原題:Harris Candidacy Poised to Diminish Trump’s Lead in 2024 Race(抜粋)