ソニーがPS5対応携帯型ゲーム機開発中、対スイッチで-関係者
望月崇、Debby Wuソニーグループが、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」向けソフトを外出先でも遊べる携帯型ゲーム機の開発をしていることが関係者への取材で分かった。
プレイステーションのゲームが遊べる環境をより充実させることにより、オンラインコミュニティのさらなる活性化などのビジネス拡大につなげるのが狙い。据え置きと携帯どちらもできる任天堂の「スイッチ」や、マイクロソフトが「XBOX」ブランドで開発している携帯型ゲーム機に対抗する意図もある。開発は初期段階で、発売しない可能性もあると関係者は付け加えた。
ソニーGの広報担当者はこの件に関するコメントを控えた。
このアイデアはソニーGが23年に発売した携帯端末の「プレイステーションポータルリモートプレーヤー」が基になっている。PS5が接続しているWi-Fi(ワイファイ)につないで利用する端末で、PS5を所有していることが前提となるが、今月から一部有料ネットワーク会員向けにクラウドストリーミング機能も解放した。
ソニーGはプレイステーションポータルリモートプレーヤーの開発で、当初は米バルブの「スチームデッキ」のような独立して稼働する端末を目指していたと関係者の1人は話す。開発中の新端末がPS5に接続する必要がなく、持ち運びしやすい端末として開発ができれば、ソニーGのゲームはより多くのユーザーにとって身近で魅力的なものになる可能性がある。
東洋証券アナリストの安田秀樹氏は「ゲーム機においては、携帯型が今一番伸びている市場であり、ソニーGがここに再参入をすることはプラットフォームの拡大のために必要な手段といえる」とみている。
業界の収益の大半を占める携帯型ゲームは、スマートフォンが主流だが、任天堂は移動中でも自宅でも遊べるスイッチを投入したことで、収益性の高いニッチ市場を切り開いてきた。後継機も今後発売される予定で、ゲーム機市場の競争が激しくなる可能性がある。
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