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バイト探し「ネット検索から進化が必要」。大手dipが生成AIを投入した狙い

横山耕太郎[編集部]

横山耕太郎[編集部]

May 24, 2024, 8:50 AM

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dipの冨田英輝社長
dipの冨田英揮社長がBusiness Insider Japanのインタビューに応じた。
撮影:横山耕太郎

アルバイト求人サービス「バイトル」などを展開する人材サービス大手のdip(ディップ)は、生成AIを活用した対話型のマッチングサービスを発表した。

新サービス「dip AIエージェント」は、バイトル公式キャラクター・バイチューに、希望する職種や勤務地、時給などを相談することで、その人に合ったおすすめの求人を提案してくれるサービス。

東京大学松尾・岩澤研究室の法人である松尾研究所と連携して技術開発しており、dipは「将来的にはマッチング率の飛躍的な向上につながる」と期待を寄せている。

またdipは2024年秋にもスポットバイトサービスにも参入することを発表しており、将来的には「AIエージェント」に相談することで、通常のアルバイトに加えてスポットバイトに関しても、一人ひとりの要望にマッチした求人を提案できるようになるとする。

AI活用でアルバイト紹介の市場はどう変わるのか? dipの冨田英揮社長にインタビューした。

違和感なく会話できるAIサービスに

dip AIエージェントの画面
「dip AIエージェント」は会話によってユーザーのニーズを把握する。
撮影:横山耕太郎

──「AIエージェント」を実際に使ってみた感想は?

冨田社長(以下冨田) キャラクターと会話する形で、親しみやすいサービスにできた。キャラクター作りの専門家にも開発チームに入ってもらい、バーチャルな存在と違和感なくコミュニケーションができるようにしている。

dipには2000人の採用コンサルタント(注:企業に対して求人広告の提案などを行う職種)がおり、彼らが企業ごとに収集した信頼性の高い情報と、求職者側の希望・スキルをAIがマッチングする。

これによって、これまでアルバイト領域では難しかった、一人ひとりに寄り添った提案が可能になると期待している。

バイト領域でも「成果報酬型」へ

dip
AIエージェントの発表記者会見に望む冨田社長(中央)ら。
撮影:横山耕太郎

── 2024年2月期の決算説明会では、「AIエージェント」導入後の将来的な目標として、「マッチング精度のさらなる向上後、成果課金モデルを導入」としています。

冨田 「AIエージェント」はそもそも、「バイトル」などに掲載されている求人とのマッチング率を上げるために存在している。

現在、バイトルは求人情報の掲載料をもらうビジネスモデルだが、広告を掲載するだけでマッチングしなければ、(dipとして)積極的な営業活動ができない原因にもなる。

企業としての利益というよりも、マッチング率を高めることでお客様満足度を高めたい。

正社員の転職領域では、エージェントが転職者それぞれのニーズにあった求人を紹介する成果報酬型のマッチングが一般的だ。一方で、アルバイト領域では単価の問題もあり、一人ひとりにキャリアアドバイザーを置く成果報酬型はコストに合わなかった。

それがAIエージェントによって、一人ひとりに合った求人を提案できるようになれば、採用が決まった段階で費用をもらう形も実現できる。

今度、どれくらい時間がかかるかはわからないが、「AIエージェント」のマッチングの精度が上がれば成果報酬モデルの道が開けてくる。

そしてdipに頼めば採用できるということになれば、他社との差別化対策にもなる。

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