インテリアデザイナーの予想によると、2025年は自然素材が流行し、フェイクグリーンは廃れそうだ。
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- 2025年のデザイントレンドについて、インテリアデザイナーたちに聞いてみた。
- 彼らは、天然素材やミックスメタルの仕上げ、室内外の境界を曖昧にするデザインが流行すると予想している。
- 2025年には「ミレニアルグレー」や過度なマキシマリズムが廃れそうだ。
年末が近づき、別れを告げたいホームデコレーションやデザイン、そしてこれから注目すべきアイテムやスタイルを考える時期になった。
Business Insiderは、3人のインテリアデザイナーに、2025年にはどんなインテリアが流行り、そして廃れるのかについて聞いた。
室内外の境界を曖昧にするデザインは、引き続き流行るだろう
室内でも外との一体感が感じられる空間。
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Planner 5Dのインテリアデザイナーであるアリス・モシュチンスキー(Alice Moszczynski)は、室内外の空間をよりシームレスにつなぐデザインが増えるだろうと語った。
「大きなガラスドアだけでなく、可動式の壁や自然換気システム、屋内外の環境によって美しく経年変化する素材がよく利用されている」
自然素材やハンドメイド素材の人気は続く
手描きのタイルや未研磨の大理石が人気を集めそうだ。
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モシュチンスキーは、石や再生木材、リネンなど、空間に温かみや質感の豊かさ、そして本物らしさをもたらす天然素材が、2025年にはさらに人気を集めると予想している。
ユニークで個性的な空間を重視する人が増えており、彼らは大量生産された素材を拒絶するだろう。
「そのかわり、完璧ではない素材が再び注目されると考えられる。例えば手描きのタイルや未研磨の大理石などだ」
アールデコスタイルの復活…ヴィンテージ感と新しさの両方が感じられる空間
ゴールドやベルベットで仕上げられたアールデコスタイル。
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Lucinda Loya Interiorsの創業者でプリンシパルデザイナーのルシンダ・ロイヤ(Lucinda Loya)は、2025年にアールデコスタイルが復活すると予想している。
ヨーロッパで生まれ、1920年から1930年にかけて流行したこのスタイルは、豪華でモダン、幾何学模様を組み合わせていることが特徴となっている。
「シェブロン柄(V字が繰り返し連なる模様)、ジグザグ、サンバースト(太陽の光が放射状に伸びたような模様)といったアールデコ調のデザインと、大理石、ガラス、磨き上げられた金属などの豪華な素材を組み合わせることが、最新のトレンドになっている」とロイヤは述べた。
ロイヤは、ブラック、ホワイト、ゴールド、シルバーといったニュートラルな色調が流行ると予想しており、それらがベルベットのような高級感のある質感と組み合わされ、「ヴィンテージでありながら新しさを感じさせる空間」を生み出すと述べた。
鏡を組み合わせることもトレンドに
鏡は空間を広く見せる効果がある。
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アールデコの復活に合わせて、鏡のように光を反射する素材が再び注目されており、それが空間に華やかさを加えるだろうとロイヤは述べている。
「鏡の表面は自然光や照明の明かりを反射し、奥行きと明るさを加える効果があるため、特に狭い空間や暗い空間で大きな効果が得られる」
さらに、鏡とマットな質感を組み合わせて、ドラマチックさと控えめな美しさのバランスを取ったエレガントなデザインもよく見られるようになるだろう。
大胆で鮮明な色が流行る
鮮明な色がキッチンの流行色になるだろう。
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Coates Design Architects+Interiorsのオーナーであるマシュー・コーツ(Matthew Coates)は、「深いグリーン、ドラマチックなブルー、スパイシーなオレンジやゴールドなど、鮮明な色の人気が高まっている」と語った。
ベージュ一色のインテリアから脱却し、新鮮な変化が求められるようになっており、大胆でカラフルなストーリーを語るような色づかいが見られるようになるだろうと、コーツは予想している。また、自分らしい空間を作ることに安らぎを感じる人が増えていることから、このトレンドはしばらく続くと見込んでいる。
ミックスメタルは今シーズンの「注目のスタイル」になるだろう
デザイナーはますますミックスメタル仕上げを楽しむようになりそうだ。
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これまで、ミックスメタル仕上げはミスマッチだと考えられていたようだが、最近では、どんなスタイルにも合わせやすい仕上げだと見なされるようになっているとコーツは言う。
「異なるメタルを組み合わせることで、部屋に個性と奥行きが生まれる。コーディネートし過ぎたような印象ではなく、時間の経過とともに自然にまとまりが生まれたような雰囲気になる。リラックスした雰囲気を求めつつも、洗練された空間を目指す人にとって理想的だ」
フェイクグリーンは流行遅れ
フェイクグリーンに本物の植物のような健康効果はない。
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自然とのつながりを重視する「バイオフィリックデザイン」は、近年人気のトレンドとなっているが、フェイクグリーン(人工観葉植物)に関しては、もはや流行が終わったとモシュチンスキーは考えている。
「バイオフィリアを模倣するための人工植物やグリーンウォールは、本物の自然のような健康効果をもたらさないということに人々が気づいてきたことから、魅力を失いつつある」と彼女は述べた。
その代わりに、室内空間の至る所で本物の生きた植物を目にするようになるだろうと彼女は予想している。
「ミレニアルグレー」は勢いを失った
グレーは冷たい印象になりがち。
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ミレニアル世代の間では「ミレニアルグレー」と呼ばれる落ち着いた色調が好まれてきた。だが、モシュチンスキーによると「グレーを中心としたカラーパレットは、冷たく、単調で、非人間的」に感じられ、「ハイエンドな空間」では特にそうであり、そのためもはや「受け入れられなくなっている」という。
そんな「ミレニアルグレー」に代わり、テラコッタ、クレイ、オークル(黄土色)、セージ(灰緑色)のような土のようなアースカラーがよく使われるだろうとモシュチンスキーは予想している。
モノが多いマキシマリズムよりも、ミニマリズムが優先されるようになる
シックなマキシマリズムと単なる乱雑さには、微妙な違いがある。
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インテリアにおけるマキシマリズムとミニマリズムの戦いは続いているが、来年はより洗練されたミニマリズムに軍配が上がるとモシュチンスキーは予想している。
2024年を通してマキシマリズムはかなり流行したが、来年は多くのアイテムや装飾を買うことは少なくなるかもしれない。
「家の中では視覚的な落ち着きと機能的な動線が求められている」とモシュチンスキーは言う。
「過剰なデコレーションはしばしば不必要な消費主義を意味し、これは持続可能性への関心の高まりとも対立する」
オープンな空間を目にする機会は減るだろう
オープンな間取りは必ずしも実用的ではない。
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最近では開放的な間取りの人気は低下している。2025年には開放感とプライバシーのバランスに関して新たなチャプターが始まるとコーツは予想している。
つまり、オープンスペースの一部を閉じると、大きな効果が得られるのだという。
「友人宅のリビングルームはオープンな間取りだったが、ハーフウォールとヴィンテージの間仕切りを追加したことで、雰囲気がガラリと変わり、より居心地よくなった」とコーツは述べた。