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「NHKは日本の敵です」DHC会長が声明、在日コリアンへの「差別的表現」報道に反論

在日コリアンに対する差別的な文書をサイト上に公表し、批判を集めていた化粧品販売大手・DHCの吉田会長。これについて報じたNHKに対し、「日本の敵です」などとする声明を改めて公開しました。その内容に再び批判が集まっています。

化粧品販売大手DHCの吉田嘉明会長が、サイト上に在日コリアンに対する差別的なメッセージを載せていた問題。

これを4月9日の「おはよう日本」で報じたNHKに対し、吉田会長が「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」などとする声明を改めて、サイト上に公開した。

声明には在日コリアンに対する差別的な表現などが多数含まれ、強い批判があがっている。

(*この記事には差別的な文言が含まれます。閲覧にご注意ください)

まず、経緯を振り返る

もともと批判が集まっていた、DHC公式オンライショップに掲載された「ヤケクソくじについて」という2020年11月付のメッセージ

自社のサプリメントについて記した内容だが、途中でライバル企業であるサントリー(ウエルネス)に言及。根拠もまったく示さずに、以下のように記している。

サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本人です。

このメッセージはTwitter上で「差別的」であることに対して批判が殺到。「#差別企業DHCの商品は買いません」というハッシュタグがトレンド入りした。

DHCの吉田会長は以前にもサイト上の「会社概要」にあった「会長メッセージ」(2016年2月付)で在日コリアンを「似非日本人」などと表現し、「ヘイトスピーチ」であると批判を集めたことがある。

また、吉田会長が同様に会長を務める子会社「DHCテレビ」でも、2017年に「ニュース女子」の出演者が在日コリアンへの差別的な発言をしたことがあった。

さらに2019年8月には、同社が制作する番組「真相深入り!虎ノ門ニュース」における放送内容が「嫌韓的」であるとして、韓国でDHCに対する不買運動「#さよならDHC」が広がり、同社の韓国法人が謝罪に追い込まれたこともあった。

NHKの報道内容は

サントリーに対するメッセージについて、NHKは4月9日、「おはよう日本」でDHCの名前を公にしながら、「在日コリアンを蔑む表現をしている」と指摘。

批判があがっていることや、抗議する署名活動が実施されていることなどを報じた。

番組では、「大企業がここまで露骨にしていることにびっくりした」などとする在日コリアン女性の声や、ジャーナリスト・安田浩一さんの「絶対に看過できない」との発言に言及。

さらに、4月2日の衆議院法務委員会で自民党の武井俊輔議員が「ヘイト企業のあり方も非常に残念」と本件などを取り上げたことも伝えた。

この際は、上川陽子法相が「企業にはむしろ率先してヘイトスピーチを含めたあらゆる差別・偏見をなくして、人権に配慮した行動をとるということについて考えて、深く行動していくことが大事」と答弁している。

この番組に対し、DHC側が吉田会長名義で回答した声明は、4月9日までにサイト上にアップされた。

これまで同様、在日コリアンに対する差別的な表現が多く、「国境を侵して侵入している敵には即座に銃撃して追い返すのが常識であろう」などと、攻撃を扇動するようなことも記している。

また、自身の発言が「差別的」と言われていることについても、自民党の一部や野党議員、さらには経団連の加盟社などの多くが「コリアン系」であるなどとして、こう主張している。

小生のことをマスコミ(これもコリアン系ばかり)は人種差別主義者だと言うが、人種差別 というのは本来マジョリティがマイノリティに対して行う言動を指すのであって、今や日本 におけるコリアン系はマイノリティどころか日本の中枢をほとんど牛耳っている大マジョリティである。

NHKに対する言及は?

そのうえで、NHKに対しては、まったく根拠を示さず以下のように言及した。

NHKは幹部・アナウ ンサー・社員のほとんどがコリアン系である。出演者についても、学者・芸能人・スポーツ 選手の多くがコリアン系であり、ひどいことに偶然を装った街角のインタビューさえコリアン系を選んでいる。予めリストアップしているのである。特徴のある名前とつき出たあご、 引きしまった小さな口元、何よりも後頭部の絶壁ですぐに見分けがつく。

NHK に対してひと言感想をと言われれば、「NHKは日本の敵です。不要です。つぶしましょう」

法務省人権擁護局は「ヘイトスピーチ対策法」に基づき、「○○人は出て行け」「祖国へ帰れ」などの言葉は「特定の民族や国籍の人々を合理的な理由なく、一律に排除・排斥することをあおり立てるもの」としている。

Twitter上では「ここまでとは知らなかった」「トップが差別的だと従業員も苦しむのでは」「文章を見て以来不買している」などの指摘もあがっている。

BuzzFeed Newsはこうした批判や、上川法相の答弁などに対する見解をDHCに問い合わせている。回答があり次第、追記する。