難病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)で人工呼吸器をつけたれいわ新選組の候補者、舩後靖彦さんが当選確実となった。
東京千代田区の平河町のれいわ新選組開票センターに、支援者の大きな拍手と共に迎えられた舩後さんは、急遽用意した当選の挨拶を付き添いの看護師に読み上げてもらった。
「僕は変えたい。こんな矛盾を変えたい」
舩後さんが国政に進出して変えていきたい社会の壁は何なのだろうか?
全文の書き起こしを掲載する。
山本代表は「優しさにつながる合理的配慮を実践する男」
有権者の皆様、ボランティアの皆様、れいわ新選組の皆様、そして山本代表、本当に今日というこの瞬間が来たことに胸がいっぱいです。ありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。
そしてメディアの皆様、こんなに遅くまで大変お疲れ様でございます。
さて、私はこの選挙期間中、山本代表の合理的配慮の実践の数々に触れました。新橋では、私の乗る、大型車椅子に人がぶつかるからと、この位置にいてほしいと自ら警備スタッフの方に声をかけたり、新宿では介護スタッフに椅子を出したりしていました。
この優しさにつながる合理的配慮を実践する男、山本太郎こそ、これから我が国の、日本を変えていくと私は確信しております。
私のフェイスブックページのメッセンジャーで友達とのやりとりでも優しさを求める声が富士山ほどあります。大げさでした。信じないでくださいね(笑)。
繰り返しますが、この優しさにつながる合理的配慮を実践する男、山本太郎こそ、これからの我が国を、日本を優しい国にする人です。
選挙中から世の中の変化を感じた
今回の選挙戦で皆さんの行動が少し変わってきたように感じました。
障害者優先エレベーターに乗り込もうとしても、いつもいっぱいで乗るまでに相当な時間を要することがあります。エレベーターの扉が開き、車椅子で待っていると、「優先でしたね。降ります」という言葉が聞こえました。
国民の皆さんの意識が少し変わってきたように思えました。小さいことかもしれませんが、このようなことが大事だと思います。
国会に入れてもらうために、皆さんはきっと色々なことを考えてくださると思います。大変な面倒なことかもしれません。でもよろしくお願いします。
同じ苦しみを仲間の障害者に味あわせないために
ところで、今回なぜ私が立候補しようと思ったのかを申しますと、自分と同じ苦しみを障害者の仲間に味あわせたくないと考えたからです。私が味わった苦しみは演説でも言っていましたので割愛します。
しかし、これだけは申し上げたい。
それは障害者自立支援法、今は障害者総合支援法の障害福祉サービス、いわゆる重度訪問介護(ヘルパーによる長時間の見守りを可能とする制度)のことです。
これは私のケースではありません。ごく最近のことです。頚椎損傷で全身麻痺(の人のケース)です。介護保険もない状況、江戸川区の重度訪問介護の申請をしに、家族に行ってもらいました。
今は入院中ですが、退院を迫られて色々な施設に問い合わせをしても受け入れてもらえない状態で、高齢者住宅で受け入れるよう区に相談すると、高齢者住宅には全く出しませんと断られました。
このようなことは日常的に起こっているできごとだと思います。
障害者総合支援法と名称が変わり、総合的に日常生活、社会生活を支援するためと、小手先だけをいじった法律を僕という人間を皆さんの目で見て、必要な支援とは何か、今一度考え直していただける制度を作っていきたいと思います。
仕事でヘルパーを使えば自費になるため、一人のボランティアに支えてもらった選挙戦
今回の選挙活動はヘルパーさんを同行すると自費になってしまうので、極力、ボランティアにしました。呼吸器を装着した人間を一人で外出させるのはきっと大変だと思います。
やはりこの部分も今回の選挙戦で感じた矛盾でした。
でも、僕は変えたい。こんな矛盾を変えたい。どこか弱々しく見える僕ですが、根性だけは人一倍、命がけなのですから。
これからもどうぞよろしくお願いします。本当に皆さまのご支援でここまできました。これからが勝負です。どうぞどうぞよろしくお願いします。