最近ファンタジー物多く読んでいます。然しこの小説は西洋中世の時代背景の設定で、魔法や転生者など出てきません。
王様、王妃と言う特殊な家庭環境でありますけどだからこその制約された日常を送る登場人物の苦しさや家族愛などが浮き彫りになって描かれて
います。主なるヒロイン元王妃の数奇な運命を中心にそのヒロインを取り巻く人物達。
最後は生き残った王様を看取る元王妃。それまでの過程で二人の別れや再会そして再びの別れを繰り返しすれ違いながらもお互いの立ち位置を間違えることなく時を過ごす元夫婦像が哀しくも穏やかに描かれています。
本当はこうあって欲しいと言う読者の願い通りにはなりません。非常に切ないです。でも現実的です。とてもハッピーエンドとは言いずらいですね。二人の子供は正に幸せであることから考えると二世代に渡るこの家族は現代にも繋がる「愛」という言葉を考えさせてくれる物語でした。
スカッとはしません!!でもオススメします。page数も長くありません。一気読みできます。結末がこれで良かったのかきっと多くの人が考えてしまいそうです。作者も悩んだのではないかと思われます。
ヒロインの再婚相手との間に子ができなかった事はチョット不自然さを感じましたけどね。再婚相手であるレオンの愛は崇高すぎて。。。。。(笑)
不本意な別れの後で関係を持ってしまった事(所謂不倫行為)も気にならない程の元夫婦の話です
もっとみる▼