初読み作者さんで、初単行本。少し前にフォローしてる方々がレビューオススメされてて、最近また別の方からオススメされたので読んでみました。時代考証がしっかりしていて、ふわふわBLとは一味違う骨太の作品。何故かレビュー数少ないですが、もっと読まれ
てもいいと思います。江戸時代、額に出来た瘤が原因で薬師の能之に引き取られた陰間(男娼)の紫苑。自分にはこれしかないと身体を使って能之を落とす一方で、捨てられたと憎みながらも旦那様を想い続ける紫苑は、山林、畑から薬を作る能之との共同生活の中で次第に。。。
作中に年齢は明記されてませんが、たぶん紫苑って、かなり若いんでしょうね。ほんの小さい頃から陰間としての生き方を叩き込まれていたのが、能之と暮らすことで新しい世界が開ける。まだ若いはずの紫苑が世に擦れてしまった背景も作中の時代考証、後書きも含めて丁寧に描写されてて、まるで紫苑という人間が陰間茶屋に実際にいたかのように感じます。少し捻ったラストの余韻も私は好きでした。ぜひ読んでみてください。
「末期ガンでも元気です」の作者さんでもあります。これからもBL描いてほしい。快癒を祈ります。
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