既刊13巻。
1巻約200、2〜13巻約170ページ。
たぶん近未来、体感型のオンラインファンタジーRPG内が舞台。
バーチャル空間内とは思えないほどリアルな日常が送れる世界、でもまだ開発中だからバグだらけ……そのバグを活かした描写が
面白いです。
登場人物達は、ほぼこの開発中ゲームのデバッガー。デバッグ作業をしながらクエストをこなしてストーリーが進んでいくわけで、表面上は冒険ファンタジーっぽくなっているわけです……が。
根本設定が怖い。
デバッグ作業中にゲーム空間内からログアウトできなくなったという、おそろしい状況。現実世界での彼らがどうなっているのかは不明。バーチャル空間に封じ込められた彼らの不安、狂気、想像するに余りある。キャラクターの見た目はあくまでゲーム内アバターで実際の中身とは異なるというのも、ふと読んでいる途中に思い出してわずかな不気味さを感じます。
そして、ゲームの外側の世界が確かに存在していて、通常運行しているっぽいのがまた不気味で……時間の流れ方は内と外で同じなんだろうかとか、どういう心持ちで受けたバグ報告を処理しているのかとか、考えても詮無いことながら考えちゃいます。
2024年を生きる自分達にも、そう遠くない未来に、こんな現実とバーチャルの境目の曖昧さが訪れるのだろうか、と思うと、そら恐ろしい気持ちにもなったり。
ボスキャラデザインがキモい感じなのも特徴的で、「開発、このキャラデザインでええんかい」とツッコミを入れたくなります。
マユちゃんの乙女心が、この不完全で殺伐とした世界の癒しです。
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2024年8月現在、既刊13巻、まだ連載中。物語が進んでキャラクター同士の仲が深まるにつれ、ゲーム内NPCであるニコラはどうなっちゃうんだろう……って心配しながら、完結を楽しみに連載を追っています。
連載中のため、星の数、レビュー内容は適宜変更予定。
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