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もう少しだけ、そばにいて【電子限定かきおろし付】
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もう少しだけ、そばにいて【電子限定かきおろし付】

815pt/896円(税込)

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作品内容

「晴人と、一緒に生きていきたい」

小説家の晴人とサラリーマンの晃は、大学時代からの恋人同士で同棲中。
数年前の事故以来、晴人は車椅子生活になったけど、大好きな人と一緒に暮らす毎日にささやかな幸せを感じていた。
でも、誰よりも晃のことを想うからこそ、晴人には『小さな秘密』があって……
誰にでも起こりうる「人生の選択」を描いた、ボーイズ・ラブストーリー!
電子限定描き下ろしマンガ1Pつき。

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    「晴人と、一緒に生きていきたい」

    小説家の晴人とサラリーマンの晃は、大学時代からの恋人同士で同棲中。
    数年前の事故以来、晴人は車椅子生活になったけど、大好きな人と一緒に暮らす毎日にささやかな幸せを感じていた。
    でも、誰よりも晃のことを想うからこそ、晴人には『小さな秘密』があって……
    誰にでも起こりうる「人生の選択」を描いた、ボーイズ・ラブストーリー!
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レビュー

もう少しだけ、そばにいてのレビュー

平均評価:4.9 71件のレビューをみる

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高評価レビュー

悲観とは何か
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ コレを見て、一瞬で人生は変わるものだと思い出したことがあって。

余命1年と宣告されたのに宣告され1ヶ月で亡くなった父の存在。家族も、そして本人も病を受け止められないまま、駆け足で亡くなった父に、こんなにも世界は一瞬で変わるんだと20代半ばで身を持って知りました。
父の病は思い出せば前兆があり、家族一同、父の最期については後悔ばかりがあった為か、父が亡くなってから、周りも自分も変わりました。

未来に悲観して人生を終わらせたいという人に過敏になってしまい、結果的にその人と疎遠になったこと。
困っている人に過剰に心配してしまい相手に負担をかけてしまった事。
自分の子どもに、病気や身体に特徴がある方々や性指向等の自己愛に対して解いたり。
失敗しながらも、無理せず少しでも後悔しない生き方が出来たらなと思うようになりました。

作中に描かれている車椅子ユーザーの気持ち、一瞬で変わってしまった晴人の当事者としての気持ち。
家族になれないから大事な場面に立ち会えない事や晴人が直ぐにでもスイスに行ってしまうんではないかという不安から晴人との人生の為に自身のアイディンティティに蓋をした晃。
そして2人共悪くない、誰も責めれない状況を打破してくれた良い人すぎる先輩。
さらに然りげ無い手助けをくれる名も知らぬ人々。
全員が全員、良い人ばかりじゃないし良い事ばかりじゃない世の中で生きた晴人と晃が選んだ最期の地、スイス。
エピローグ…なんかまるでバージンロードを去る新郎新婦を見送る参列者の如く、2人が駆け抜けた人生に、拍手で見送りたい気持ちです。

…本人や寄り添った家族が、標準治療、先進医療、セカンドオピニオン、サードオピニオンと、闘病をやり尽くし「打つ手なし」と宣告され、後悔なく進んだその先に自ら「眠らせてくれ」と言った親族もおりました。
主治医も感心するほどの闘病の末、本人の最後の選択を、家族は受け入れました。

だから、晴人の症状が進む中で、晴人が正常な時に再度たくさん話し合い、喧嘩し、納得し、時に涙し、笑い、そしてたどり着いたスイスだったと思うのです。
だからこそ、一切の後悔なく進んだだろう2人の選択を
「良い旅を」と見送りたい。
そして、先生の「伝える」気持ちに対しての弛まぬ努力、確かに受け取りました。凄く、凄く読んで良かった。
書ききって下さり、本当に、ありがとうございます。
いいね
35件
2024年9月20日
もう涙が止まらない…
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 友人の勧めで購読!
タイトル通りほんとにずっと、ずーーーっと泣いてました。
身体障害を扱う作品に対して、色々思うところはあるんです。もう泣かしに来てるなって作品もあるじゃないですか?コンテンツ化されるのはどうなのかなとか思っちゃうんです…。でも、車椅子の人の日常について知るにはとても良かったです。入りやすかったし、無理やり作られた山場みたいなのがなくて、日常のなかでお互いに思ってても言ってなかったことが積み重なってすれ違ったけど、お互いに好きで愛情があるのがわかるので良かった…。

車椅子で生活している晴人と、3年目ながら営業トップの晃。学生時代にいい仲になり、突然の事故で晴人が車椅子になったことがきっかけで一緒に住むことを提案、同棲して2年のカップルです。
事故をきっかけに人生の色んなことが変わっていった2人。どちらの気持ちもわかりすぎるくらいわかるので、もう涙が止まりませんでした。
晴人からすれば、自分がこんなに辛いのに晃にかけてる迷惑が気になってて、それを辛いと言わないのもまた辛くて。いつでも自分の手で終わらせられる選択肢を御守りのように持っているのも、悲しいけどわかる。
反対に、晃からすれば、甘えてもらえないこととかが辛くて、別れを切り出されたことも辛い。書類を見てしまい、自分との将来を考えてもらえていないことが辛い。
すれ違ってしまったけど、先輩の存在もまた有り難いよね。ちゃんと冷静になれる時間を作ってくれた。ナイスアシストです。
車椅子に対する、世間の目は優しいだけじゃないかもしれないけどやっぱり優しい人もいて、パートナーシップ制度がとれるようになったり、思ったよりも明るい未来を2人で歩んで行けているみたいで嬉しくなりまた涙が。
エピローグ。2人で一緒にあちこち出かけられたんだと思うと、またここで涙。最後の地がスイスということは、そういうこと?よね?
自分らしい人生を真っ当できた晴人は幸せだったと思うけど、残された晃はどんな思いだったんだろう。
他の方のレビューを見て、あぁ、認知症ってことなのかと認識できたのですが、それでまた泣きましたね。
生き方の多様性が選択できるようになりましたが、どんなことが幸せでどれを選ぶのかは本人たち次第なので、この2人はこの2人の幸せな人生を全うしたと思いたい。
素敵な作品をありがとうございました。
いいね
12件
2024年9月28日
愛しいの答えに近いものをもらいました
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ SNSで回ってきた試し読みから出会いました。
最初はきっと事故で下半身不随になって、昔通り恋人と接することが難しくなっちゃったけど紆余曲折あって上手く収まりました!これからもラブラブ!みたいなよくあるBLのお話だと思いました。

でも、違いました。二度と失いたくないものに直面し、自分の夢を捨ててまで必死に尽くす晃と半身の機能が失われたことによって自分の尊厳の在り方と戦う晴人、そして同性が対象の恋愛の難しさや尽くし尽くされる関係の苦しさ…綺麗事だけでは描けない”人生“がそこにありました。

特に晴人の”普通に近い生活を送るために必要なこと“の描写がとてもリアルで思わず可哀想だと思ってしまう。でもその感情は晴人が一番向けられたくない感情で…言葉に尽くしがたいですが、健常者と障がい者での価値観の違いを自分も追体験した気分になりました。

この作品を通じて、私は”愛しい“が何か知った気がしました。この感情を私はあまりわからなくて…でもこの2人から教えてもらった気がします。お互いを阻む逆境(同性愛や障がい者への理解のない世間)があってもそれを乗り越えたいと思うことや自分がしたかったこと、行ってみたかったところに行っても自然と相手を想ってしまうこと、相手のために生きたいと思うこと…他にもたくさん。2人を難しいテーマで描き切ってくださった先生のおかげです。ありがとうございます。

最後のシーンについては、必要な場面だったと思いました。晴人が唯一の救いとしてずっと持っていたもの。それをおじいちゃん同士になるまで使わなかったことは、色んな壁と戦うことはあっても2人でそれまで幸せに生きてきたという証拠だと思いました。自然死もできるのに何故という気持ちはありましたが、それも晴人の”選択“なのだと。晃と人生の全てを楽しんだ、でもエッセイが書けないほど認知症が悪化してしまった。愛する人を忘れる自分になってしまう前に。そこで晃との人生が色褪せないことを”選んだ“のだと解釈しました。またそれも1つの愛の在り方なのかなと思いました。晃も一緒になのか、それとも晃はその後も晴人に見せたかった世界を回るのかがこちらの想像に任されている感じも良かったです。

この作品に出会えたことが私は幸せです。
素敵な作品をありがとうございました!
いいね
5件
2025年2月2日
悲劇の中で、それでも人生が続く愛の物語
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ ただのBLとはいえない、なんと表現するのが正解なのかいまだにわかりませんが、作品に出会えて良かったと思います。

交通事故の後遺症や障がいと、自分の存在が大切な人の負担になってまで生きていくのが辛く、スイスで安楽死することも選択肢にいれている晴人と、自分の時間や夢を犠牲にして、それでもやっぱり晴人が一番大切な晃のお話です。
二人でいても死の選択肢があることが晴人の支えになっていることや、自分がいるせいで晃は夢を叶えることができないと思う晴人の気持ちもわかりますし、愛する人に死を選んでほしくない、一緒にいたいという晃の気持ちもわかります。
どちらが正しいとかそんなことはなくて、お互いに毎日の小さな幸せの中で、たくさんの苦しみも背負ってその日その日をこれからも懸命に生きていくんだろうな…と読み終わって思いました。
読み返して気づきましたが、最後に二人がいる国はスイスなんですね。
これは晴人が安楽死を選んだから一緒にいるのでしょうか…?
おじいさんになるまで安楽死を選ばなかった晴人が、このタイミングでこの選択をした理由は、痛みよりも耐えられないことがあったから、それは段々と晃との日常やこれまでの思い出を忘れていく自分が怖かった、何よりも晃を愛していることを覚えているうちに死を選びたかったのではないでしょうか。
もしそうなら、晃がいるからもう少しだけ生きてみようを繰り返して生きてきた晴人の最期の死への決断は、痛みではなく愛だったんだなと思いました。
死を選ぶことで守れる記憶があると思いますし、ここまで頑張った晴人に死を選ばないでなんて、それはもう自分のエゴでしかないのでとても言えません。スイスで安楽死したいと晃に話した時は、きっと晃が何と言っても覆るものではなくて、それを言うまでに沢山苦しんで悩んだであろう晴人を思えば、晃は微笑んで最期まで一緒に行くよと伝えたのかなと思いました。
どんなやりとりがされたかは二人にしかわかりませんが、最後に笑いながら晴人の隣を歩く晃の表情に、この二人の人生全てが表現されているのではないかと思いました。
本当にまるで映画のような、素敵な作品をありがとうございました。
ジャンルの垣根を越えて沢山の方に読んでほしい、そんな一冊でした。
いいね
24件
2024年9月20日
依存か献身か執着か純愛か
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 重いテーマなので、かなり覚悟して読みました。
事故により下半身不随になった晴人と、そのパートナー・晃の物語。

結構な問題作。
二人の苦悩はリアルで重く、真に迫っていて…その分、感動も大きかった。

もしもこの作品が気になっている人は、とりあえず読んでみるといいんじゃないかな…
私は読んでよかったと思いました。


【以下 超ネタバレ注意】



さて、問題のエピローグ。

あれは絶対に必要だったかな……
私はあの申請証は生涯使わなかったほうが、物語としてしっくりくるような気がしました。
どんなに絶望しても、生きようとした二人の物語だと思ったから。

だけど作者様は、敢えて最後に強烈な問題提起をして物語を完結させた。
その作者の意図を消化しきれず、今もずっと考えてる。

そもそも認知症の患者が安楽死を希望して、申請がおりるのか疑問だった。
調べてみると、海外では認可が下りる国もあるらしいです。
ただこういう判例はあっても、認知症前と認知症後、どちらの本人の意思をとるのかという問題もあって、調べれば調べるほど何を尊重すればいいのかわからなくなりました。

晴人のあの決断は、生きることを諦めたうえでの結果ではないと思う。だから晴人は最後まで「悲劇でない」と確信できた。
そこが一番大事な気がするけど……実際のところ認知能力が衰えた状態で、そこまで重大な意思と決断を貫くことができるかなと思った。

そして晃…
二人の出した結論にこれ以上何も言うつもりはないけれど、最後の晃の微笑に一瞬 陶酔に近い何かを見たような気がしたのは私の考えすぎかな――。

安楽死について調べているときに出会った、「安楽死は正解のない哲学」という言葉がとても印象的だった。
真摯に悩み、苦しみ、共に生きた二人の人生に、今はただ敬意と祈りを捧げたい。

重く、深く心に残る作品でした
いいね
20件
2024年10月20日

最新のレビュー

感動しました
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ とても感動しました。初めて漫画のレビューを投稿しますが、感想を書きたくなるくらい素晴らしい作品でした。
事故前の穏やかな回想と、事故後の厳しい現実が交互に描かれており、そのギャップで終始涙が止まりませんでしたが、最後は心温まる終わり方でした。
困難があっても、夢を諦めず2人の生活を楽しもうとしていて、希望の持てるラストだなと思いました。

主人公たち2人の愛の話が中心ですが、障害を持つ人に対するあり方も考えさせられたりと、重みのある話でした。またこんな作品を読んでみたいです。
いいね
0件
2025年3月19日

書店員・編集者などオススメレビューをピックアップ!

一緒に生きていきたい
営業:ラッキーボーイ(シーモアスタッフ)
白野ほなみ先生が描く究極の愛の物語。交通事故以来、車椅子生活の作家・晴人は恋人の晃と同棲中。一見ほのぼのとした日常だけど、愛ゆえに別れたいと考える晴人の傍にいたい晃。愛し合っているのにすれ違う二人が切なく胸が締め付けられます。ラストでは悩み抜いた末に彼らが出した“答え”に涙が止まりません!

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