鳥山明先生の訃報を受けてから、何か作品を読みたかった。1巻完結の本作に来た。
上手すぎる絵でSAND LANDの世界がよくわかる。タッチが統一され細やかで温かく、戦闘シーンに爆発音はあるのに、流血は無し。叩きのめすなんてことはなくて、悪者
の悪どさは目の前で見せつけられない。過去があった。魔物がいる。目的のある旅に出る。目的以上の決着となり、物語の結果に安堵する。
手を組む相手を誰とするか、その判断の繰り返し。選択に満足する。
泉のシーンの雰囲気に、乾いた地ばかりだった物語に訪れた初めての潤いを感じた。
また、狡猾な国王の私欲まみれの国民を欺くやり方に対して、そう出るか、という感じも。
そして主人公達の水に関する最後の行動は、ストーリー性として見せ場として、何もかもゴゴゴゴゴと押し出していくようで、さっぱりした。
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