慶大の清原正吾内野手(4年=慶応)が24日までに野球引退を決断した。西武、巨人、オリックスでプロ通算525本塁打を放ったレジェンド・清原和博さん(57)の長男。

イースタンリーグのオイシックス、ウエスタン・リーグのくふうハヤテ、独立リーグの7球団と計9球団からオファーを受けていたが、この日の朝、堀井哲也監督(62)が断りの連絡を入れた。

 清原は「プロ志望届を提出してから今日まで真剣に悩み、向き合った結果、今後は野球の道ではなく、新たに目標を持ち、社会に出る準備をすることにしました。大学から再び始めた野球人生でしたが、どれもが自分を成長させてくれる貴重な経験ばかりでした。監督、チームメイト、家族、そして応援し、支えて下さった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました」とのコメントを発表した。

 清原は慶応幼稚舎(小学校)3年から「オール麻布」で野球を始めたが、慶応普通部(中学)でバレーボール部、慶応高でアメフト部でプレー。6年間のブランクがありながらも、慶大野球部の門をたたき、猛練習に励んだ。スポーツ報知のインタビューで、その理由をこう語っていた。

 「学生最後というところで、親孝行したいなと思って。両親が一番喜ぶ選択肢は何かなと考えたとき、もう一度野球をやって結果を残したら、本当に喜ぶだろうなと。そういう意味で決心しましたね」

 2年秋にリーグ戦デビュー。4年春からは「4番・一塁」に定着し、春のリーグ戦では一塁手のベストナインにも選ばれた。

8月31日にエスコンフィールドで行われた東京六大学選抜と日本ハム2軍の試合では育成左腕・山本晃大から豪快な一発を左翼席にたたきこみ、確かな成長を見せた。

 9月12日にはプロ志望届を提出。しかし10月24日のドラフト会議でNPB球団からは指名はなかった。それでも気持ちを切らすことなく、11月9日の早慶1回戦では3号ソロを含む4打数4安打と大暴れ。ネット裏の父・和博さんへ感謝の一発をささげた。

 野球継続か、就職浪人をしての一般就職か。11月10日の早慶2回戦後には、「明日以降、自分と見つめ合って考えたい。まだ何も自分の中で腹に落として決めきれていない。どの選択肢もあり得る」と熟考する意向を示していた。そして出した結論は、ユニホームを脱ぐことだった。大観衆の前でこそ燃える抜群のスター性。豪快なスイングで神宮の杜を沸かせた清原が、惜しまれながらバットを置く。

(加藤 弘士)

 ◆清原 正吾(きよはら・しょうご)2002年8月23日、東京都渋谷区生まれ。22歳。慶応幼稚舎(小学校)3年から「オール麻布」で野球を始め、慶応普通部(中学)でバレーボール部、慶応高でアメフト部。慶大で野球に再チャレンジ。2年秋にリーグ戦デビューし、通算31試合で114打数29安打の打率2割5分4厘、3本塁打、12打点。今春のリーグ戦で一塁手のベストナイン。186センチ、90キロ。右投右打。

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