地雷が次々と…
中国最大のP2P金融プラットフォーム「e租宝(Ezubao)」が76億ドル(約9185億円)を詐取した疑いで幹部21人が逮捕されました。被害者は中国全土の投資家90万人と見られており、被害額、被害者数ともに中国史上最大。被害者数では世界最大のポンジ・スキーム詐欺となります。
新華社通信によると、すでに2人は警察に自白したとのこと。親会社の鈺誠集団の張敏(Zhang Min)元会長自らが、「あれは完全なポンジ・スキームだった」と認めているとの報道もあります。
投資詐欺はバブル中国で今、大問題になっています。銀行預金は低利、不動産相場も不安定、株市場は低迷中…となればお金が流れ着く先はもう知れていますよね。それにつけ込む詐欺も多いってなわけで、昨年は金融詐欺の国内総被害額がなんと240億ドル(約2兆8980億円)を超えました。
詐欺の多くは、借り手と貸し手をマッチングするP2P金融です。個人投資家と起業家をつないだり、街金より安い金利で個人に貸して回収できるサービスで、「銀行より手数料が低い」のが売りです。
e租宝の場合、投資は年利9-14.6%で返ってくるっていう約束だったのですが、リスク管理担当Yong Lei容疑者の自供によれば、サイト(現在は閉鎖)に掲載された投資対象の事業の95%は真っ赤なニセモノ! 内情は単に新規投資家から掻き集めたお金を既存投資家に回すという原始的手口で自転車操業しているだけだったそうです。
同社は昨年12月に警察の捜査が入って事業凍結に。幹部は引きずられるように車に連行され、オフィスの前では投資家が金を返せと拳を振り上げました。まさか時計を巻き戻して古い投資家から新しい投資家に順番にお金を戻す…というわけにもいきませんものね…かわいそう過ぎます。
戻すどころか、1兆円近いお金のほとんどは悪用されてしまったとのこと…。たとえば丁宁(Ding Ning)会長から張敏元会長のもとには1個1200万元(約2億2300万円)以上もするダイヤモンドの指輪を含め、10億元(約184億円)以上の金品が渡っていました。
記事の詳しい内容はわからないけど、経済記事冒頭の「一枚1200万的粉钻戒指、一块5000万的绿色翡翠、5.5亿现金」という文字に怒りが滲んでます。
image: YouTube
source: QZ
(satomi)