チョイ足しくらいの翼かと思いきや?
空を飛ぶ鳥のように、大空を駆けるのはライト兄弟が叶えた人類の夢でした。
今ではいろんな乗り物が存在していますが、機材をほとんど使わずほぼ生身のまま滑空できるのがウイングスーツかと思います。脇の下や両脚の股ぐらで布をピンと張り、表面積を増やして全身を翼に変えて飛行します。
空中用の水中翼をプラス
レッドブルが、このスーツに船やボートに使われるハイドロフォイル(水中翼)を合体させました。
その結果、世界記録を3つ更新することに!
2024年10月24日、スイスのユングフラウ山を飛び越え、記録樹立を成功させたのはウイングスーツ飛行士ピーター・ザルツマン。記録は最長ベース・フライト時間5分56秒と、最長距離12.5km。高度差3,402mを滑空したことで、ジャンプから着地までの最大記録も更新しました。
開発に3年
一見するとただ水中翼をくっつけただけですが、レッドブルの先端技術開発チームらと共に、F1や航空有力学の知見を活かし、3年がかりで完成させたのだそうです。
ジャッキー・チェンへの憧れ
ずっとジャッキー・チェンが好きで、スタントマンになりたかったんです
と語るザルツマン。
ジャッキーは映画『サンダーアーム/龍兄虎弟』にて、身一つで熱気球にダイヴしていましたもんね。
ジャンプのためには情熱や気合や集中力もですが、日々の鍛錬、入念な下調べが欠かせません。死と隣り合わせなので、もちろん覚悟も必要。
もっと遠くへ
船+ハイドロフォイル(水中翼)は水の抵抗が最小限になり、省エネ+高速化するもの。でも空を飛ぶスーツにも効果があるなんてねぇ。BMWは小型ジェットを作りましたし、まだまだ改良の余地がありそうな気がします。