海外で臓器移植を受けられ、その後帰国された患者さんのフォローアップ診療について
心臓・肺・肝臓・腎臓などが病気のために不可逆的な機能不全をきたし、生命の危機にさらされている患者さんにとって臓器移植は唯一の救命手段です。これはドナーとその家族による無償の協力によって支えられていることはよくご存じのことと思います。
世界的な臓器移植医療の普及に伴い、海外の一部では移植される臓器が貧しく弱い立場の人々から金銭と引き換えに摘出されるケースが明らかとなってきました。このような臓器取引を通じた臓器移植は非倫理的かつ違法性があり、2008年『臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブ-ル宣言』が出され、公平な臓器移植を行うためには渡航移植は行うべきではないと世界的に示されました。
当院におきましても、非倫理的かつ違法性のある臓器移植は断固として許容できないと考えており、このような渡航移植を根絶するための取り組みをしていく所存です。
当院におきましては、海外で臓器移植を受けられ、その後帰国された方が移植後のフォローアップ診療を希望された場合、上記『イスタンブ-ル宣言』のほか、我が国の『臓器の移植に関する法律(臓器移植法)』、『日本移植学会倫理指針』に則り対応いたします。原則として、違法性のある臓器移植を受けられたと判断された場合、当院での診療をお断り申し上げます。