東京電力福島第1原発の事故からまもなく14年。福島県が事故当時18歳以下の子どもに続ける甲状腺検査で、350人にがんが見つかっている。被ばくとの因果関係の議論が続く中、がんになった若者たちが支援や原因究明を求めて声を上げている。北海道電力泊原発(後志管内泊村)で過酷事故が起きれば、道内も被ばくの問題に直面する恐れがある。
福島県の甲状腺検査 2012年4月1日までに生まれた子ども38万人に実施。2~5年ごとの超音波検査で5.1ミリ以上の結節などが見つかると2次検査に回る。放射性ヨウ素は甲状腺に蓄積し、がんのリスクを高めることが分かっている。福島の原発事故では、被ばく予防に有効な安定ヨウ素剤は、一部の住民にしか配布されなかった。
■再発を恐れる気持ち消えず 「支援充実を」
「見ますか? いいですよ」。福島市内に住む林竜平さん(24)はそう言ってシャツの襟元を広げた。喉に3センチほどの傷痕があった。8年前に甲状腺の左半分を摘出した時の手術痕だ。
検査で甲状腺にしこりが見つかったのは中学2年の時だった。2年後、しこりは10ミリ以上になり、精密検査に回された。市内の病院で喉に注射針を刺し、一部を吸引して検査。結果はがんだった。腫瘍が声帯に近く、早めの切除を勧められた。
手術は成功し、体調は比較的よいものの、再発を恐れる気持ちは消えない。今も年1回病院で検査を受けている。「一生がんと付き合っていくんでしょうね」...
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