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あなたとHTB
このページは令和6年12月22日放送分から引用しています。
佐藤良諭アナウンサー
おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに、より良い番組作りと
放送のあり方を目指す番組です。
まず、10月の第568回放送番組審議会で審議された
「イチオシ!!」について、委員の意見をご紹介します。
「イチオシ!!」は、HTBが毎週月曜日から金曜日の夕方に放送している情報番組です。審議対象となった10月17日の放送内容は、
ニュース、天気、スポーツの他、身近にあるのに名前が知られていないモノを調べるコーナー「キミの名は?~What’s your name?~」などが放送されました。
この番組に対して、番組審議会の委員から出た意見から評価された点を紹介します。
<評価点>
・イチオシ!!で提供される情報や報道を通して、視聴者がどのように行動するのがいいのかを伝える重要な機会になっていると強く思った。
・情報番組といういわば百貨店的な作り方の中で、冒頭のニュースに続き、「キミの名は?」「秋のどんぶりGP」といった話題まで、硬軟のバランスがよかった。
・途中から見た視聴者でも内容がわかるように、項目のタイトルが右上に字幕で表示されていたり、日付や時刻、天気などの役立つ情報がひと目で分かるよう、左上に表示されていたのがよかった。
・全国のニュースはテレビ朝日が、北海道内の話題はHTBが提供するということで、役割が明確でわかりやすい流れとなっている。
・ニュースの項目が暗い話題から明るい話題という流れになっていて、その後の特集の前に視聴者の気分を切り替える良い手法だと感心した。
・「キミの名は?」のコーナーは、よくいろいろ見つけ出してくるものだと感心している。今回も「タンパーエビデントバンド」の意味、役割、アルミキャップからの進化、製造方法とたくさんの「へえ」があった。
ここまでは、評価点をお伝えしました。
ここからは要望点・改善点・提言です。
<要望点・改善点・提言>
・朝の情報番組「イチモニ!」では、天気の画面の中に新千歳空港と東京の情報があるが、イチオシ!!ではないのはどうしてだろう。視聴者層の違いとは思うが、あるとうれしい。
・鳥インフルエンザのニュースでの「埋却(まいきゃく)」や「卵価(らんか)」など、音(おん)だけではイメージがつかない言葉があった。テロップなどの文字情報による補完の重要性を感じた。
・紫金山・アトラス彗星のニュースで、さっぽろ創世スクエア屋上からの撮影を試みていたが、この場所は通常、一般の人が入ることはできない。視聴者がどのあたりからであればきれいに見えるのか取材して欲しかった。
次に、11月の第569回放送番組審議会で審議された
「テレメンタリー2024 沈黙の搾取 見過ごされた障害者虐待」
について、委員の意見をご紹介します。
この番組は、恵庭市の牧場で働いていた知的障害者3人が虐待を受けていたとして、牧場主と市を相手取り裁判を起こした問題を取材し、
長い間虐待が見過ごされてきた背景を紐解くことで、障害者差別について考えるドキュメンタリーです。
番組は10月に放送され、
ギャラクシー賞のテレビ部門・月間賞を受賞しました。
この番組に対して、番組審議会の委員から出た意見から評価された点を紹介します。
<評価点>
・全体を通して、様々な障害がありながら、生きづらさを感じないで過ごしていける社会をどう作ればいいのかを、言葉ではなく映像で語っている番組だと感じた。
・障害者への虐待の実態が明確にわかる内容で、牧場や周辺住民、恵庭市、障害福祉の研究者へのインタビューや、障害年金の出金データなど、丁寧な取材がなされていた。
・登場人物それぞれのリアルな「言葉」と、それだけでは説明できないリアルな「身体」から伝わってくるものが詰め込まれていた。30分弱という枠の中で、雄弁に語り、考えるべき課題が炙り出されていた作品だった。
・佐藤さんへのインタビューで「ストーブは使えなかったのか?」との問いに「燃料も高くなったからダメだと言われた」。「髪はどうやって切っていたのか」との問いには「牛用のバリカン」といったリアルな表現は、当時の実態を視聴者に強く印象づけた。
・牧場経営者の妻の言葉からは、経営者を単純に「悪」として作品上に置かない役割を担っていると感じた。夫婦にとっての正義もあったはずで、そこをこぼさずに伝えることで、問題の複雑さが浮き彫りになった。
・アップの映像が多く、それらの効果が高かった。たとえば、佐藤さんの顔は映されていなかった、手の動きから怒りや戸惑いなどの感情が伝わってくるようだった。
ここまでは、評価点をお伝えしました。
ここからは要望点・改善点・提言です。
<要望点・改善点・提言>
・過激なタイトルを使用した割には、深掘りされた事実が放送されていなかった。これまでの新聞報道をなぞった取材にすぎず、「搾取」や「虐待」を裏付ける新たな事実は紹介されなかった。
・番組では、知的障害者が働いた場合の賃金体系などについて詳しく触れていなかったが、「搾取」という視点から考えると、この点も深く掘り下げて欲しかった。
・恵庭市が虐待として扱わなかったことと、年金搾取の問題は分けて考えるべき。佐藤さんらのお金が消えたことと、市役所の対応を1本で考えると、番組がおかしな方向へ流れてしまう。
・障害者虐待や年金搾取の背後にあった、有力者への忖度が強く印象に残った。地方であればあるほど忖度がはたらきやすく、問題が発覚しにくいという構図は、障害者への虐待だけでなく、さまざまなトラブルの根底にあることを痛感した。このような問題を世の中に伝えることは、ドキュメンタリーの役割である。
ここで、お知らせです。
青少年のためのより良い放送のあり方を考える
BPOの青少年委員会が「中高生モニター」を募集しています。
この制度は、全国の中高生から選ばれたモニターに、
テレビやラジオの番組について、
毎月、率直な意見を報告してもらうものです。
モニターの任期は、来年4月から1年間です。
詳しい内容は、BPOのウェブサイトをご覧ください。
あなたとHTB。次回の放送は、
来年1月開催の第570回における委員のご意見を紹介いたします。