CX(カスタマーエクスペリエンス)とは?UI/UXのその先へ
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みなさん、WebサイトのUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を気にしていますか?ここ数年、Webマーケティングの業界では「UI」や「UX」というキーワードを聞かない日はないといっても過言ではありませんね。では、「CX」という言葉はご存知でしょうか。2015年頃から徐々に広まっている考えですが、昨今のUI/UXブームを受けて、再び注目が集まっています。
「カスタマーエクスペリエンス」の略であるCX。今回はCXを知らない方向けに、UXとの違いや、CXの考え方を具体例を交えてご紹介します。
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは何か?
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、「顧客(=カスタマー)としてのあらゆる体験」を指す言葉です。つまり、サービス・製品を認識してから購入を検討、購入した場合はそれを使用するという一連の流れのすべてにおける体験のことを意味しています。
また、競争が激化している昨今の市場においては、このCXも大きな差別化ポイントになっています。
米オラクル社の調査では、顧客の89%が不満足なカスタマーエクスペリエンスが原因で他のブランドに乗り換えた経験がある、と回答しており、非常に重要な指標であることがわかるでしょう。
※出典:2011 Customer Experience Impact Report|Oracle
さて、ここで混同してしまいがちな、UX(ユーザーエクスペリエンス)やUI(ユーザーインターフェース)という言葉と、CXとの違いをおさえておきましょう。
「カスタマー」と「ユーザー」の違い
まず、前提としておさえておきたいのが、「カスタマー」と「ユーザー」の違いです。カスタマーとは顧客を意味し、「サービス・製品に関わる全ターゲット」を指しているのに対して、ユーザーは「特定のサービス・製品の利用者」を指す言葉です。カスタマーのほうがより広範囲であることがわかります。
UXは、ひとつのサービス・製品に関わる体験
カスタマーとユーザーの違いをおさえた上で、次に「UX」についておさえていきましょう。
UXはユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略です。Experienceは「体験・経験」を意味するので、UXとは「ユーザーが、ひとつの製品・サービスを通じて得られる体験」を意味しています。
先ほどのカスタマーとユーザーの違いからもわかることと思いますが、UXとCXでは考えるべき対象の数が違いますね。
例えば、あなたがiPhoneを持っているとしましょう。iPhoneを使用する際の体験は「UX」、インターネットでApple storeを検索し、購入、使用するという体験のすべては「CX」となるのです。
UIは、ユーザーとの接点
では最後に、「UI」についても簡単におさえておきましょう。
UIとは、ユーザーインターフェース(User Interface)の略で、Interfaceは「接点」を意味します。UXがユーザーの体験そのものを指すのとは異なり、UIはユーザーと製品・サービスの接点つまり、「ユーザーに見えて触れるすべての場所」を指しています。
例えばWebサイトであれば、画面のデザインや、ボタン、遷移テキストなどがUIにあたります。
以上から、CXというのは顧客(カスタマー)としての体験全般を指す概念、UXはその中の個々のシーンにおける体験、UIはサービス・製品と接する際のインターフェースを指しているのです。
カスタマーエクスペリエンス(CX)を高めるメリット
ここまで、CXとUI/UXの違いを見てきました。CXの概要はご理解いただけたと思います。
次に、CXを高めることのメリットを簡単ご紹介しましょう。
- ・他社への乗換えリスクを減らせる
- CXを高めることで、カスタマーの長く愛される製品・サービスになります。機能の差別化が難しくなってきた昨今では、こうしたカスタマーの体験こそが大きな差別化ポイントになるのです。
- ・リピーターが増える
- ストックビジネスでない場合は、何度も購入をしてもらうことはビジネスの安定にもつながります。CXを高めることで、「またここで購入したい!」という意欲につなげることができます。
カスタマーエクスペリエンス(CX)に注目が集まる理由
さて、そもそもなぜカスタマーエクスペリエンス(CX)が重要になってきたのでしょうか?
情報流通の変化
まずひとつ背景として挙げられるのが、テクノロジーの発達です。
- ・コンピューターの発明
- 例えば80年台のようなネットワークに繋がらない(パソコン通信はありましたが)コンピューター時代は、マーケティングはTV、雑誌、新聞、店舗などで行われ、いいモノを作ったり、印象的なCMを作ったりすれば売れる時代でした。
- ・インターネットの発明
- そして、コンピューターがオープンネットワーク(インターネット)に接続された90年台以降で考えてみると、ネットワークを通じて企業が個人に情報を提供できるようになりました。
- ・スマートフォンの発明
- スマートフォンの普及とともに、SNS等の登場によってユーザもWebにおいて情報を発信する側に立てるようになり、情報の双方向性が一気に高まりました。その中で、ユーザは欲しいモノや情報を何でも手に入れられるようになってきています。何でも手に入ることが当たり前になって、「体験」の重要性が増しているのです。
社会的価値観の変化
そして、テクノロジーの発達と同時に起こっているのが、社会的な価値観の変化です。
大量のモノにあふれる時代、どのサービス・製品も似たような機能を持つようになりました。そのときに、ユーザーがサービス・製品を差別化できる要因となるのが、「ブランドイメージ」や「体験」なのです。特にBtoB業界の場合、企業同士の取引ですから、イメージ・信頼性は重視されるのではないでしょうか。
どうせ同じ機能であれば良いイメージの企業から買いたいと思いますし、気持ちよく使えるサービス・製品を使いたいですよね。
このような流れの中で、企業はユーザーの体験をしっかりと可視化した上で、目標を明確にし、施策を実行し、結果を測定し、改善を行っていかねばならないのです。
【BtoC企業でのCXの活用例】
例えば、CXで有名なのはスターバックスです。スターバックスは、ただコーヒーを提供する企業ではありません。提供しているのは居心地の良さという体験なのです。
スターバックスでは、自宅、職場に続く第三の場所「サードプレイス」になることを目指して、スタッフの教育や空間作りを行っています。その活動を通して、「スターバックス」というブランドが形成され、消費者を魅了しているのです。
さいごに
今回は、カスタマーエクスペリエンス(CX)をご存じでない方向けにCXの考え方をご紹介しました。イメージはできたでしょうか?
顧客にとっての「価値」は時代に伴って変化するもの。いま、顧客が求めているのは心地いい「体験」なのです。
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