今週は任天堂の次期ゲーム機に関するニュースが多く見られました。「ニンテンドーDSの後継は15ヵ月以内にスタートする」と米国の調査会社のEEDAR(Electronic Entertainment Design and Research)のアナリストであるJesse Divnich氏は予測。「任天堂は今後12~18ヵ月で次の何かを発売する」とWedbush Morgan証券のアナリストであるMichael Pachter氏は語ります。ニンテンドーDSは発売されてから約5年、Wiiは約3年が経過しており、次期ゲーム機が出るとすればそろそろ妥当なタイミングかも知れません。しかしDSiウェアとWiiウェアはスタートから約1年前後しか経過しておらず、まだ産声を上げたばかりの状態。「次期ゲーム機でDSiウェアやWiiウェアが使えるか?」このテーマからは、任天堂がダウンロード販売をどう考えているかが分かるのではないでしょうか。DSiウェアやWiiウェアは小規模デベロッパーの活躍が注目されていますが、小規模であるが故に主力機種の移行は負担を伴うことが予想されます。次期ゲーム機でDSiウェアやWiiウェアが使えるのであれば、小規模デベロッパーも移行の準備が整うまで既存環境でダウンロードゲームを作り続けられますし、技術的にもこなれていくことが期待できます。そうでない場合、次期ゲーム機におけるダウンロードゲームの規格が整備されるまではダウンロードゲームが作れないことになります。もちろん既存のDSiウェアやWiiウェアは存続するでしょうが、様々なプロモーションは次期ゲーム機の通常流通ゲームが中心のものとなるはずです。海外のデベロッパーからは「任天堂はWiiウェアやDSiウェアを周知させるためにもっとできることがある」(NnoooのCEO、Nic Watt氏)「任天堂のプロモーションはまったく充分とはいえない」(JV Gamesのバイスプレジデント、Jag Jaeger氏)といった指摘があります。そんな状況ですから、次期ゲーム機への移行が決定した後の旧機種のダウンロードゲームといえば二重に不利な立場となるといっても過言ではないでしょう。ダウンロード販売が今後どうなるのは予断を許しません。今後のゲーム業界が進むべき道であるとする意見もあれば、そうでないという声もあります。もしも任天堂がダウンロード販売は時期尚早であると考えるなら、主力機種の移行はこれを整理する良いタイミングでもあります。任天堂がダウンロード販売を強力に推進しないのであれば、ソニーやマイクロソフトにとっては一つのチャンスとなります。ゲーム機のサイクルは5年前後で移行するといわれていますが、任天堂は次期ゲーム機において、次の5年間のダウンロード販売をどう見るのでしょうか。興味深いテーマといえるでしょう。