30年に渡って愛され続けている国民的ゲーム「ドラゴンクエスト」の名言集を買いました。
ドラクエの魅力と言うと、わかりやすいシステムや壮大な音楽、ついつい引き込まれるシナリオなどいろいろありますが、シンプルかつ味わい深いセリフも魅力のひとつではないかと思います。人生で大切なことはすべてドラクエの名言から学んだといっても過言ではn・・・少し過言かもしれません。
そんなドラクエの名言の中から、個人的に特に思い入れのある名言を選んでみました。
「おお ○○○○! しんでしまうとは なにごとだ!」(初出「ドラゴンクエストⅠ」)
本書のタイトルにも使用されているこのセリフ。ドラクエⅠでプレイヤーが死んじゃったときに王様から浴びせられる、今となっては有名なセリフですね。ただ、プレイ当時は理不尽に感じた人も多いんじゃないですかね。こっちだって好きで死んだわけじゃないのに、こんなこと言われてもね・・・w
「ゆうべは おたのしみでしたね。」(初出「ドラゴンクエストⅠ」)
ドラゴンの元からローラ姫を救い出した後、お城にいかずに宿屋にしけこむと翌朝宿屋の主人から言われるセリフ。これまた非常に有名なシーンですが、プレイ当時小学生だった僕は何のこと言われているのかいまいちピンと来なかった思い出。ただ、意味はわからないまでもこの宿屋の主人が非常に下世話なことを言っていることだけはなんとなく感じ取れましたw
彼女や嫁と宿にしけこんだ翌日にこんなこと言われた日にゃ、もう二度とその宿利用しませんわw
ドラクエ初期を代表する名言であるこのセリフを冠した漫画もあります。
「もしわしのみかたになれば せかいのはんぶんを ○○○○にやろう!」(初出「ドラゴンクエストⅠ」)
ドラクエⅠのラスボス「竜王」の元にたどり着いたときに竜王から言われるセリフ。非常に魅力的な話ではありますが、普通に考えて美味しすぎる話なので疑ってかかるのが吉ですね。現実でも美味しい話や甘い言葉にはご用心、ってことで。
ドラクエ4コマ劇場の「世界の半分をやろう」に対して「全部よこせ!」と勇者が切り返すネタに当時爆笑していた思い出。柴田先生最高。
「いいえ。わたしの おさめるくにが あるなら それは わたしじしんで さがしたいのです」(初出「ドラゴンクエストⅠ」<)
竜王討伐後、ラダトームの国王から王位継承を打診されたときに勇者が返すセリフ。こんな意識高そうなセリフよう言いませんわ。僕なら普通にラダトームの国王に納まって、毎日ローラ姫とキャッキャウフフと遊んで極楽のような日々を過ごしたい・・・政治は大臣とかに丸投げで。
「シドーは ベホマの じゅもんを となえた!」(初出「ドラゴンクエストⅡ」)
ドラクエシリーズ屈指の難易度を誇ると言われているドラクエⅡ(リメイク版は多少難易度下がったかも)。ヒントの少ない意地悪な謎解きやロンダルキアの洞窟~ロンダルキアの大地の極悪な環境なども難易度の原因ではありますが、極めつけはこれではないでしょうか。
ラスボスがベホマを使う!
苦労に苦労を重ねてハーゴン城までたどり着き、幹部モンスター3体を命からがら撃退し、ついにハーゴンを倒したと思ったら真のラスボス・シドーが登場し・・・それでも諦めることなく奮闘を続けるユーザーの心をぽきっと折ってしまうこの仕様。まさに鬼畜の所業・・・!
「おきのどくですが ぼうけんのしょ 3ばんは きえてしまいました。」(初出「ドラゴンクエストⅢ」)
FC版ドラゴンクエストⅢのプレイ経験のある人ほとんどにトラウマを植えつけたと思われるメッセージ。セーブデータ消失の瞬間。
まだドラクエⅠ、Ⅱのころのように復活の呪文形式なら写し間違いをしたかもしれない自分を悔やむこともできましたが、こればっかりはもうどこに怒りをぶつけたらいいのかわからない。
冒険の書は3つまで作れるから、念のためバックアップを取っといてもバックアップごと消えるなんてこともざら。
しかも、
「おきのどくですが ぼうけんのしょ 1ばんは きえてしまいました。」
「おきのどくですが ぼうけんのしょ 2ばんは きえてしまいました。」
「おきのどくですが ぼうけんのしょ 3ばんは きえてしまいました。」
なんて感じにご丁寧に1つずつ例のトラウマBGMとともに流してくれると言う鬼畜仕様。
「遊び人は本当に役立たず。連れて行きたいなら充分に強くなってからシャレのつもりで仲間にしろ」(初出「ドラゴンクエストⅢ」)
ルイーダの酒場でおっさんからいただけるありがたい助言。事実、シャレのつもりで遊び人を仲間にしてしまうと、運の良さ以外のステータスは低いわ、戦闘中に勝手に遊んで戦力にならないわで散々。
でも、この役立たずの権化・遊び人がまさか悟りの書無しで賢者に転職できるとは・・・遊びの中にこそ人生を悟る真髄があるということですかね。
「ゆるしてくれよ!な!な!」(初出「ドラゴンクエストⅢ」)
盗賊カンダタが勇者達に敗北した後に許しを請うときのセリフ。まあこの手の悪党は大抵そうなんですが、カンダタもせっかく見逃してやっても全く反省することなくその後悪事を繰り返すわけですが・・・
ゲームブック版ドラゴンクエストⅢだと、改心したカンダタが味方になるなんていう胸熱シーンがありました。リメイク版でカンダタ仲間になるようにしてくれたら良かったのに。
「あーら すてきな おにいさん!ねぇ ぱふぱふ しましょっ。いいでしょ?」(初出「ドラゴンクエストⅢ」)
ドラゴンボールの作者・鳥山明氏がイラストデザインを担当していた関係からか、ドラゴンボールから輸入された素敵仕様。
ドラゴンボール2巻でブルマ(に化けたウーロン)が亀仙人にしてあげたやつですね。
「ぱふぱふ」そのモノも十分に男心をくすぐる素晴らしいものではありますが、ぱふぱふ後に女キャラがぷんすか怒ってるところも可愛くて良いと思うのですよ。ドラクエ3で前から2番目のキャラを女キャラにしたときとか、ドラクエ5リメイク版での会話システムとか。
余談ですが、「ぱふぱふ」だけで終わっちゃったらむしろ欲求不満が溜まるんじゃあ・・・?と思うのは僕が汚い大人になったせいですかね。
「へいわな せかいに できなかった このちちを ゆるしてくれ・・・とな ぐふっ!」
ゾーマの居城内で勇敢にキングヒドラと戦うも、力及ばず倒れる勇者オルテガ(主人公の父親)。いまわの際に語ったセリフがコレ。主人公を自分の息子と認識できずに語るところも切ないですが、それ以上に息子への無限の愛が感じられる感動的なセリフ。
・・・のはずなんですが、たいていのユーザーは勇者オルテガがカンダタと同じような上半身裸のマスクマンな外見をしていたことがショックでそちらに気を取られてしまっていたんじゃないでしょうか。命からがらゾーマ城までたどり着く過程で服が破れてあのような姿になってしまったという説もあるようです。
そして個人的にオルテガの格好以上に突っ込みたいのは、オルテガの戦い方。通常攻撃と威力変わらないバギクロス使うくらいなら、そのMPをベホマに回していれば勝機もあっただろうに・・・
「ほろびこそ わが よろこび。しにゆくものこそ うつくしい。」(初出「ドラゴンクエストⅢ」)
ドラゴンクエストに登場する敵キャラの中でもトップクラスの人気を誇ると思われる大魔王ゾーマ。このキャラのセリフはいちいち格好良いというか、大魔王の威厳たっぷりなところが人気の秘訣かも。
そして でんせつが はじまった!(初出「ドラゴンクエストⅢ」)
ドラクエ3のエンディングで表示される一文。ドラクエ1、2とクリアしてきたプレイヤーにとっては鳥肌モノのメッセージ。ゲーム終盤にアレフガルドが出てきた時点で薄々そうだろうなとは思ってたけど、実際クリア時にこのメッセージ見たときは万感の思いでした。ビバ、ロトシリーズ!!
「え?わたしが おふろを のぞいているですって?とんでもない! 」(初出「ドラゴンクエストⅣ」)
エッチ系装備やらぱふぱふやら、ドラクエにはちょいちょいエロいシーン出てきますが、温泉やお風呂も定番シーンのひとつ。シナリオライターの堀井雄二氏は全国のピュアな青少年の心をつかむのが実に上手い。
クリフトは ザラキを となえた! デスピサロは しななかった!(初出「ドラゴンクエストⅣ」)
名言集の中では「ザラキ」ではなく「ザキ」、「デスピサロ」ではなく「キングレオ」だったんですが、デスピサロに対するザラキのほうが個人的に印象強かったのでこちらで。クリフトと言えばザラキ、ザラキと言えばクリフト!
雑魚敵を一掃できる可能性のある「ザキ系」呪文はたしかに便利なときもありますが、ボスキャラ相手には効かないのだから、単なるMPとターンの無駄。それでも今日もクリフトはザラキを唱え続ける。何かに取り付かれたかのように・・・
クリフトってミネアに比べてHPも高いし、ベホマラーやスクルトも使えるし、ボス戦だからこそ回復役としてレギュラーにしたいのに、何故こんな過酷な運命を背負っているんでしょうか・・・(FC版当時のAIでザキ系呪文の効果期待値が高く設定されてたのが原因らしいです)
なんと スライムが おきあがり なかまに なりたそうに こちらをみている!なかまに してあげますか?(初出「ドラゴンクエストⅤ」)
いまやドラクエシリーズではすっかりポピュラーとなったモンスター仲間システムですが、初めてこのシステムが搭載されたのはドラクエ5から。ドラクエ4でホイミンが仲間になるだけでも胸熱だったのに、さらに多くのモンスターが仲間になるということでワクワクが止まりませんでした。
特にスライムのスラリンは能力的に厳しいもののどうしても仲間から外せずに、最後まで馬車の中で待機してもらっていました。
「なんと この私が 好きと申すか!?そ それはいかん!もう一度 考えてみなさい。」(初出「ドラゴンクエストⅤ」)
ビアンカとフローラ(リメイク版ではデボラも追加)から花嫁を選び結婚するというイベントがあるのがドラクエ5の最大の特徴であるとも言えますが、ビアンカでもフローラでもなくルドマン(フローラの父親)に話しかけるという行動は、ドラクエユーザーであれば一度は通る道。ルドマンも茶目っ気たっぷりに(あるいは本気にしてしまった?)返答してくれますしね。
主に戦闘力や財力的な目的でフローラを選ぶ人いますが、その理屈で言うならルドマンと結婚すれば最強ですよね。財力は言うに及ばず、戦闘力もかつて怪物ブオーンを封印したルドルフの子孫ですから、かなり期待できるはず。
「そう・・・。じゃあ あたしが せきにんを もって スラリンさんを 埋そうするわ。」(初出「ドラゴンクエストⅥ」)
このセリフは今回名言集を読むまで知りませんでした。死んだ状態の仲間モンスターをルイーダの酒場に預け、その仲間と「お別れ」を選択するとこのようなメッセージが流れるようです。切な過ぎる・・・
「こっちが 助けてほしいときは だれも 助けてくれないくせに なぜ オレのやる事は ジャマばかりする!」(初出「ドラゴンクエストⅥ」)
ドランゴ引換券 若き美形剣士・テリーのセリフ。幼い頃から苦労を重ねてきたテリーらしいセリフと言うか、人間味溢れる泥臭いセリフです。まあ、現実社会でも概ねこんなんばっかりですよね。
「遊んでくれて ありがと。つまらなかったわ。じゃあね。」(初出「ドラゴンクエストⅦ」)
ドラクエシリーズ屈指のツンデレキャラ・マリベルのツンデレ爆発のセリフ・・・なんですが、セリフだけみてるとツンデレと言うよりビ○チっぽい気がしなくもないですw
「いつでも 子供のことを見守り その子が 困っていれば 助けようとする。親なんてのは そういうものじゃよ。」(初出「ドラゴンクエストⅧ」)
ドラクエ8のコメディリリーフを務める(?)トロデのセリフ。初めて見たときは何てことのないセリフだと思ってましたが、月日が流れ、人の親となった今改めて見ると感慨深いものがあります。
ドラクエの秘密 生みの親が語る「人間くさくてあたたかい」ゲーム創作術 (朝日新聞デジタルSELECT)
- 作者: 朝日新聞
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
堀井雄二氏は偉大だ・・・
こうして改めてドラクエ名言集を見返してみると、堀井雄二氏の考えるセリフはユーモアあり、感動ありの、実に味のある名言のオンパレードですね。いまさら改めて言うまでもないことですが、実に稀有な才能を持ったシナリオライターだと思います。