米Googleは8月10日に新しい検索システム「Caffeine」をテスト公開し、世界中の検索ユーザーの注目を集めた。
Googleは自社の検索アルゴリズムを絶えず調整している。ほとんどの場合、マイナーチェンジが特定の組織のPageRankに影響することはない。だがCaffeineでは、検索結果がこれまでとは異なっている。
新しいコンセプトの導入で、検索結果の多様性が大きく変わった。かつて検索結果の上位に表示されていたサイトは転落した。その一方で、下位のサイトの中には、Caffeineではランクが上がったところもある。
例えば、「tech(技術)」という言葉を検索してみると、現行のGoogleの検索結果ページでは、Web2.0ブログのTechCrunchが2番目に表示される。Caffeineでは同サイトは3番目になる。その一方で、現行版GoogleではTechCrunchのはるかに下にあるNew York Timesのテクノロジーページが、CaffeineではTechCrunchの上になっている。
確かにどちらのサイトもまだ検索結果の1ページ目にあるが、これは問題かもしれない。Google検索ユーザーのほとんどは、最初の検索結果ページしか見ない。多くの場合、彼らは上位の検索結果を幾つかクリックするだけだ。GoogleがGoogle Maps検索やサイト検索などのコンテンツを検索結果に加えると、やや下位の検索結果は「見えないところ」に落ちてしまう。それにより、検索エンジンからのトラフィックが大幅に減る可能性がある。
それを考えると、規模の大小を問わず、企業は心配した方がいいかもしれない。例えば、CaffeineとGoogle検索で地元の会計士を探してみたところ、検索結果の上位3社は順位は同じだったが、それ以降の検索結果については、Googleの検索結果に入っていない企業が、Caffeineの検索結果には載っているというケースが幾つかあった。Google検索では検索結果の1ページ目に載っていた企業2社が、Caffeineでは2ページ目になっていたという劇的な変化も見られた。
Caffeineは状況を大きく変える。そのことは企業に対し、幾つか大事なことを指摘している。
試しに幾つか検索してみただけでも、Caffeineが現行のGoogle検索とやり方を変えていることははっきりと分かる。Googleの検索結果で最上位にあった企業が、Caffeineではその順位を維持できない可能性もある。
すべてがそうというわけではないが、わたしが試したところでは、多くの場合、現行GoogleとCaffeineでは地域情報検索の結果は違っており(同じ結果になったケースもあるが)、あまり知られていない企業が検索結果の最初のページに来ていた。検索結果をビジネスにつなげてきた企業にとってはうれしいことではない。ライバルがアドバンテージを得れば、業績に深刻な脅威が及ぶ。
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