日本でGmailの登録制を開始したのはなぜ? 不正利用はどうなるの? モバイル対応は?――。登録制に移行したGmailの質問にGoogleが答えた。
国内のGmailも登録制に移行した――。気になる点に対してGoogleから回答を得たのでまとめた。
1.日本でGmailの登録制を開始した理由は?
「サービス公開の順序は、総合的な判断をくだした」(ビジネスプロダクトマネージャーの徳生裕人氏)。「日本のユーザーは洗練されており、Gmailを使いこなす能力の高い人が存在するという期待もある」ことも判断の基準になった。
2.登録制は日本、オーストラリア、ニュージーランドの3国だが、どうやって国内かどうかを判断しているのか?
「IPアドレスなどから判断している」(徳生氏)。つまり、日本を訪れた他国のユーザーも登録し、帰国した後も利用できる、というわけだ。Gmailアカウント目当ての観光客が増えるかもしれない!?
3.現在のGmailユーザー数は? ユーザーが利用している容量の平均値は?
「よく聞かれる質問だが、いずれも非公開」(シニアインターナショナルプロダクトマネージャーのアンジェラ・リー氏)。ただし、現在2.7Gバイトを超える容量については、通常の利用で上限に近づいたユーザーは自然と増加するようになっているという。「すべてのメールをオンラインに保管することを目的とした」(リー氏)というGmailの理念に従い、通常利用においては容量不足で困らないようにする――ということなのだろう。
4.不正利用は把握しているのか? 不正利用と判断された場合はどうなる?
無料のメールサービスを利用する迷惑メール事業者は少なくない。Gmailも登録制に移行すると、迷惑メール事業者の利用が増加するのではないか。「短時間に大量のメールを送信するユーザーは監視している」(リー氏)。
2.7Gバイト以上の大容量を誇るGmailを悪用してオンラインストレージのように利用しているケースはどうなるのか。「私自身も写真などを送受信するためにGmailを利用している。どこからがオンラインストレージ的利用かどうかを判断するのは難しい」(リー氏)。とはいえ、「10Mバイトの添付制限ギリギリのメールを大量に送受信しているユーザーは監視している」(徳生氏)。10Mバイトのファイル添付したメールを短時間のうちに200通前後やりとりしているユーザーは、不正利用としてアカウント停止などの処分もありえることを示唆した。
5.モバイル対応は?
「cookie、DHTML、SSLをサポートした端末であれば現在も利用できる」(徳生氏)。つまり、現時点でもフルブラウザを搭載した端末であれば利用できるというわけだ。Gmailの画面下部には「簡易HTML」ページへのリンクがあり、クリックすると動的コンテンツを排した簡素な設定が可能だ。フルブラウザ端末ではこの簡易HTMLページを利用することになるが、機種によっては、Gmailにアクセスすると自動的に簡易HTMLページにリダイレクトされることもある。
ただ、フルブラウザを搭載していない端末ではログインからして難しい。Googleでも当然、日本国内における携帯端末の普及は考慮しており、「日本のマーケットニーズにも応えていきたい。携帯電話からのアクセスも対応を検討している」(リー氏)という。
auのEZwebトップメニューにGoogleの検索エンジンが搭載された(5月18日の記事参照、7月19日の記事参照)のは7月20日のことだ。当然、Googleでも携帯電話へのさらなる対応は重点課題として認識している。「今後、携帯端末にGmailボタンは搭載されるのか」との問いには、「今は答えられない」(リー氏)と否定はしなかったものの、明言を避けた。
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