仕事の効率を上げるための最もお手軽な方法。それはPCの操作速度を上げることだ。これは知識と練習で実現可能。まずはショートカットを活用するための「ショートカット的ホームポジション」を見てみよう。
いかに仕事のスピードを上げるか。知的な仕事に携わっている人──つまり現代ではPCを使っている人にとって、最も手軽な方法は、ズバリPCの操作を速くすることだ。そのためには、
といったやり方があるが、最も手軽なのがさまざまなキーボード操作をマスターするというやり方である。
PCに初めて触ったとき、「ホームポジション」という言葉を教わった人も多いだろう。左手の人差し指を[F]キーに、右手の人差し指を[J]キーに置き、ほかの指は1列ずつ隣のキーに置く。指を動かしたら必ず、このホームポジションに指を戻す──。多くのキーボードには[F][J]に触って分かる突起が付いており、ほとんどの人がホームポジションはマスターしているはずだ。
タッチタイプ自体できません! という人は、まずはタイピングの練習から。最近はソフトのインストールなしでWeb上でタイピング練習ができるアプリケーションが多数登場している。
ところが、ショートカットを使いこなす=PCを高速に操作するためのホームポジションは、誰も教えてくれない。そこで筆者なりのショートカットホームポジションを披露しよう。
左親指は、スペースキーを押すか遊んでいる人がほとんどだろう(筆者の場合、スペースキーはほぼ右手親指で押している)。この指は、キーボード左下の[Alt]キーへいつでも移動できるよう意識しておきたい。
なぜか。それは、WindowsやMacOSの作業効率向上で大きなカギとなる、ウインドウ(アプリケーション)切り替えのためだ。親指を[Alt]キーへ移動させると共に、左薬指は[Tab]へ、手首をひねるように回転移動させる。このとき、パームレスト部分を軸に回転させるのがポイントだ。このポジションが、高速にウインドウを切り替えて作業をするための重要な位置となる。
なぜ[Tab]を押すのが薬指かというと、小指には別の役割があるからだ。1つは、[Alt]+[Tab]でアプリケーションを切り替える際に、さらに[Shift]も押して逆順にしたい場合がある。このときに薬指を[Shift]に当てる。もう1つは、タブブラウザなどで使う[Ctrl]+[Tab]。このときに[Ctrl]を小指で押すのだ。「Tabは薬指」と覚えておけば、後々間違いはない。
併せて、この親指[Alt]キーはアプリケーションの終了にも活用する。いわゆる[Alt]+[F4]である。マウスに手を動かすことなく、ウィンドウ切り替えとアプリケーション終了ができるだけで、PC操作速度は相当アップすること請け合いである。
次に重要なのが、左人差し指。この指は[X][C][V]の各キーにスムーズに動くよう意識していなくてはならない。もちろん、すべてのアプリケーションで共通して使うショートカット、「切り取り(Ctrl+X)」「コピー(Ctrl+C)」「ペースト(Ctrl+V)」のためだ。
コピーやペーストはもちろんマウスでも可能だし、ちょっと凝ったところでは、[Ctrl]+[Insert]でコピー、[Shift]+[Insert]でペーストなんてショートカットもある。しかし、最も指を動かさずにコピペが可能なのは、左[Ctrl]と[X][C][V]の組み合わせだ。
ショートカット的ホームポジションは、ほとんどが左手だが、右手も意識しておきたいことがある。サッと矢印キーに動かせることだ。凸型に矢印キーが配されているキーボードでは、右手の中指で上下、人差し指で左、薬指で右が押せるよう、一気に手を動かす。
次回以降、いくつか例を紹介するが、世のアプリケーションの中にはマウスよりも矢印キーを使ったほうが、正確で、速い操作となるものが少なくない。
ちょっとマニアックなショートカットとして、両手を活用する高速技もお伝えしたい。それは、[Alt]+[スペース]+[N]、[C]である。
まず左手の親指で[Alt]を押し、押したまま右手の親指で[スペース]を押す。すると、アプリケーションのショートカットメニューが開く。そのあとおもむろに、右手の人差し指で[N]、または左手の人差し指で[C]を押す。
[N]を押せばウインドウは最小化される。[C]を押せばアプリケーションが終了する。
アプリケーション終了のショートカットというと、[Alt]+[F4]が有名だが、どうにも遠いショートカットだ。筆者でも頻発すると手が痙りそうになるくらいで、手の小さい方にはかなり辛い。この[Alt]+[スペース]+[C]は、ホームポジションからほとんど手を動かすことなくアプリケーションを終了させられる、ちょっと芸術的なショートカットである。
皆さんも、こんなショートカットを活用してPCの操作を効率化しているという例があったら、ぜひ編集部まで送ってほしい。
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