矢野経済研究所が12月7日発表した、恒例の「オタク市場」調査結果によると、2015年度のアイドル市場は1550億円となり、前年度からプラス30.7%と大幅に拡大した。アイドルオタクの年間消費額も、全オタクの中で最も高かった。
アイドル市場は前年度の1186億円から大きく成長。ジャニーズやAKB48のコアファンが市場を支えている上、新しいグループの台頭で拡大傾向にあるという。
アイドルオタクの1人当たり年間消費額は7万9783円で、前年度(7万4225円)から5000円以上アップ。2番目に多い「メイド・コスプレ関連サービス」(3万7289円)の倍以上に上っている。消費額が最も少なかったのはボーカロイドの8950円だった。
2015年度は総じて好調に推移。プロレスが若年層や女性層の取り込みに成功して成長し、「恋愛ゲーム」や「ボーイズラブ」もプラスに転じた。
分野 | 金額(億円) | 成長率(%) | 動向 |
---|---|---|---|
同人誌 | 775 | +2.4 | ダウンロード販売が好調 |
プラモデル | 266 | +1.9 | キャラクターモデル拡大、スケールモデル低調 |
フィギュア | 320 | +1.3 | 女性ファン層増加、訪日外国人需要で拡大も、購入数や頻度低下 |
ドール | 134 | +0.7 | 固定ファンが支え、新商品発売で微増 |
鉄道模型 | 95 | +3.3 | 寝台特急や新幹線関連が好調 |
アイドル | 1550 | +30.7 | ジャニーズやAKBなどのコアファンに加え、複数グループの台頭で拡大 |
プロレス | 124 | +2.4 | 各団体の新規ファン取り込みで若年層や女性など拡大、興業も増加傾向 |
コスプレ衣装 | 435 | +1.2 | ハロウィンも定着し、一般的な趣味として定着 |
メイド・コスプレ関連 | 115 | +2.7 | メイド喫茶ブーム終了も一般層や訪日観光客をターゲットにした業者がけん引 |
アダルトゲーム | 185 | -3.1 | ノベルティグッズの商品化などメーカーの販売戦略奏功で縮小幅は緩やかに |
AV | 512 | -1.6 | ヘビーユーザーが支えるほか、ダウンロード販売がユーザー層拡大 |
恋愛ゲーム | 146 | +6.6 | 業界内競争が激化も一般女性向けが好調 |
ボーイズラブ | 220 | +3.8 | ヒットコンテンツの出現でプラスに転じる |
ボーカロイド | 92 | +2.2 | 初音ミク人気で関連商品に加えライブ本格化 |
トイガン・サバイバルゲーム | 150 | +4.2 | 初心者や女性を取り込んで拡大してきたが伸び率に落ち着き |
アンケート調査した15〜69歳の男女9876人のうち、「オタク」と自認・他人から認知されているのは19.1%で、前年度から2.8ポイント減だった。
関連機器が今年相次いで発売されたVR(仮想現実)については、実際に経験したことがある人は「オタク」が14.2%だったのに対し、非オタクは5.0%と大きな差があった。
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