いきなりだが、以下の時刻表を見ていただきたい。「岩国発―糸崎着」のダイヤであるが、パッと見て違和感を覚える人は“時刻表の達人”と言っていいだろう(地元で普段利用している人は除く)。
「ん? どういうことよ。岩国駅を朝の4時、5時に出発しているけれど、何か?」と思われたかもしれない。達人でない記者も、最初は同じように感じた。再び、同じ時刻表。赤い丸の中に、ちょっと気になるダイヤがあるので、じっくり見ていただきたい。
「西条駅で乗り換えることができるようだけど。あれ? あれ? どちらの列車も白市駅に到着する。白市駅に行くのであれば、わざわざ乗り換える必要はないのでは?」と思われたはず。なぜ、JR山陽本線はこのようなダイヤを組んだのか。西条駅で6時33分発の列車に乗れなかった人たちに、6時46分発を用意しているのかもしれないが、それだけではない。
こうした“謎ダイヤ”を次々に発見している人がいる。『JTB時刻表』(JTBパブリッシング)の編集長、大内学さんである。謎ダイヤが存在している理由を知るために、大内さんの会社にお邪魔したところ、時刻表はどのようにしてできているのか、できる編集者はどこに注目しているのか、といった話も聞くことができた。
毎月1000ページ以上の時刻表はどのようにしてできているのか。細かい数字がたくさん並んでいるが、分かりやすく伝えるためにどのような工夫をしているのか。前後編でお送りする。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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