日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「品質はいいと思っていたけど、もう着ません! さようなら」
「これからは国産ブランドを支持します。中国市場から出ていけ!」
なんて感じで、日本が誇るグローバル衣料メーカー「ユニクロ」(運営:ファーストリテイリング)が中国のネット民たちからボロカスに叩かれている。
そう聞くと「あれ? 中国の人たちって確かユニクロが大好きじゃなかったっけ?」と首をかしげる人も多いだろう。そう、ユニクロは中国国内で不動の人気を誇り、国内で900店以上も展開している。日本のユニクロでも中国人観光客のショッピング姿をよく見かけることだろう。
そんなユニクロがなぜここまで中国で憎悪の対象になってしまったのかというと、柳井正会長兼社長の「発言」が原因だ。
11月28日、英国の公共放送「BBC」が柳井会長のインタビューを報じたのだが、なんとその中でこれまで「ノーコメント」として一度も明かしたことのない、こんな事実をぶちまけたのである。
「中国・新疆ウイグル自治区の綿花は使っていない」
ご存じの方も多いだろうが、このように「新疆ウイグル自治区の綿花」を名指しでボイコットするのは、中国人にとっては看過できない「内政干渉」になる。
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