「まず、手を動かしてみます」
「自分なりに、やってみます」
という姿勢はよくない。一つ一つに仮説を立てるクセをつけさせるのだ。部下が立てた見通しが甘いのであれば、
「そのリスト情報はどこから持ってくるの?」
「現状分析をせずに資料作成するのはよくないよ」
このようにアドバイスしよう。仕事を始める前に「認識のズレ」をなくしておくのだ。
「ありがとうございます。こうすれば16時ぐらいに終わりそうですね。いったん15時に中間報告します」
実際に部下が作業を始めたら、本当に見通し(仮説)を立てた通りになるのか、後で「気付き」を共有してフィードバックしよう。そうすることで、成長スピードも速くなるはずだ。
昔は上司や先輩から、いちいち「見通し」のことなど触れられず、
「まずは手を動かせ」
「自分のできる範囲でやって」
などと言われたものだ。そしてうまくできないと、
「誰がこんなやり方をしろと言った?」
「もっと頭を使えよ」
とダメ出しをされた。しかし、そんな突き放した指導は今のご時世、絶対にやめたほうがいい。組織のためにも、上司がラクをするためにも、一人一人の部下が正しく成長したほうがいいのだ。
従って、いったんやらせてからダメ出しをするようなやり方ではなく、仕事を依頼する前に丁寧に質問し、考えさせ、認識合わせをすることだ。
そういう指導を怠ると、部下も自分なりにやり、自分なりに終わりの時間を決め、自分なりの判断で帰宅するようになっていく。
スキルのみならず、仕事に対する姿勢を啓蒙することも上司の務めだ。今回紹介した「三面等価の法則」はとても大事な概念なので、ぜひ活用してもらいたい。
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