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東証のシステム障害、メモリの初期化失敗が原因

東京証券取引所は2月12日、システム障害で取引を停止していた20年3月を限月とするTOPIX先物取引を再開した。東証は復旧したシステムについて「今日は順調に稼働している」としている。

» 2008年02月12日 15時17分 公開
[ITmedia]

 東京証券取引所は2月12日、システム障害で取引を停止していた20年3月を限月とするTOPIX先物取引を再開した。東証は復旧したシステムについて「今日は順調に稼働している」と話している。

 障害が発生したのは2月8日の午前11時。20年3月を限月とするTOPIX先物取引において、前場の終値を算出する処理で不具合が発生した。東証と、派生売買システムの開発や保守を担当する富士通が原因の調査を始めたが、原因の究明ができず、システムの復旧のめどが立たなかったため、同日の11時50分、20年3月を限月とするTOPIX先物取引の停止を決めていた。この障害により、終値が正しく認識できなかったことから、該当する銘柄のToSTNeT取引をFAXで処理した。

 東証は3連休中に復旧作業を実施した。特定された原因はメモリの初期化エラーだった。システムは通常、前場立会終了時刻が到来した時点で、立会終了間際に発注された注文のうち処理待ちとなっている注文を、引け状況付注文などと一緒に取引板に登録し、終値を算出する。板に注文を登録する場合、システムはメモリ上の特定の領域を初期化した上で処理するが、今回はこの初期化が実施されなかった。

 まれな条件がそろうと起こる現象としている。結果的に、この領域に残っていたデータが影響してしまい、板に登録するべき注文の値段が不正な値になってしまう不具合が発生した。

 原因が判明したのは2月9日。東証はシステムの他の部分への影響を考慮した上で、該当するプログラムを修正した。2月10日に、プログラムが正常に改修されていること、改修による業務処理に影響がないことを確認した。2月11日に取引参加者を交えたテストを行い、本番環境が正しく稼働することを確かめたという。

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