5月上旬に発売予定のグローバルパスポート端末「A5505SA」は、先端の機能が惜しみなく注ぎこまれた端末だ。
カメラは100万画素CCD、ディスプレイはメインが2.4インチTFT、サブが1.5インチTFTと、いずれも業界最大クラス。EZナビウォークは電子コンパス付きで利用でき、ラジオチューナーを搭載、USBポートまで装備。海外の12の国や地域(CDMA圏)にそのまま持っていって音声端末として使える上、韓国ではEZwebへのアクセスやフォトメールの送受信、Cメールも受信できる。
ここまで“全部入り”にしたのは、A5505SAの開発に当たって「ロングライフで陳腐化を招かない」ことをコンセプトにしたからだと、au事業企画本部プロダクト統括部長の牧俊夫氏。それほど頻繁に新端末がリリースされない製品だけに、「ここ1年間くらいを見通して(携帯に搭載される)可能性のある装備は入れていこう」という方針で開発を進めたという。
各種搭載された機能の中でも注目なのが、USBポートの搭載だ。
「メガピクセルカメラを搭載しているので、撮ったものをPCを介さずにプリントしたいという需要が出てくる」(牧氏)との予測から、「PictBridge」(2月13日の記事参照)に対応。端末とPictBridge対応のUSBプリンタ、USBケーブルさえあれば、PCを介すことなく携帯側で任意の写真や枚数を指定して画像をプリントできる。
またマスストレージクラス対応のため、付属のUSBケーブルで(市販のUSBケーブルも利用可能だという)端末をPCと接続すれば、ドライバなどをインストールする必要なく外部ストレージとして認識される。PCと端末間でのデータのやり取りはもとより、誰かのPCにデータを渡したいときにも簡易外部メモリとして端末を利用可能だ。「ケータイメールでは添付できるデータ容量に限界があるので、PCとの親和性も重要になってくる。これまでのシリアル(携帯電話の底部にある端子)ではスピードが出ないが、USBなら速い」(プロダクト統括部端末プロダクトグループの尾�附nmマネージャー)
A5505SAでは未対応だが、将来、USBポートには通信用途のニーズも出てくるだろうと牧氏は見ている。「1XはともかくWIN端末では将来、PCの通信をこれでやりたいという需要も出てくる。ちょっと早いが将来を見越してUSBを入れた」。今回の搭載にはUSB慣れしてもらう──という意味合いもあるようだ。
A5505SAは、auの音声端末としては初めて海外とのデータローミングに対応した。「韓国にいても、日本にいるのと全く同じユーザーインタフェースでEZwebやフォトメール、ムービーメールを送信できる」(牧氏)。1.5円/パケットという料金は、「先行してデータローミングを提供しているボーダフォンと比べてどうなのか(2003年11月の記事参照)、どのくらいならユーザーが安心してたくさん使えるのか」を検討して設定された。
データローミングは韓国を皮切りに北米エリア、アジア各地のCDMA圏に広げる計画だ。「欧州では(CDMAは)ほとんどないので、強みをどこで出すかといえば、やはり北米とアジア」
一方で、CDMA/GSMのデュアル端末開発も視野に入っている。「世界的に見れば、今年中にそういう端末が出てくる。われわれも当然考えている」
また、データローミングの対応国が増えたときなどに、容易にソフトをバージョンアップできる、ネット経由のソフト更新も検討していきたいと話す。「この端末では出来ないが、(グローバルパスポート端末に限らず)エアを使ったソフトのバージョンアップの採用については検討している」
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