ACCESSは2月15日、Android端末向けに「NetFront」シリーズを開発し、世界各国の通信事業者や端末メーカーに販売すると発表。今回発表されたのは、「NetFront FlexUI」「NetFront Document Viewer」「NetFront Browser」「NetFront Widgets」の4製品。Mobile World Congress 2010の同社ブースでデモンストレーションが実施されている。
NetFront FlexUIは、Android端末のUI(ユーザーインタフェース)を変更できるSDK(ソフトウェア開発キット)の一種。UIはFlashで作成できる。現在、Android端末では初期状態のUIはカスタマイズできないが、NetFront FlexUIを用いることで、ユーザーは「きせかえツール」のような形でUIを自由に変更できるようになる。
説明員によると、Android端末のUIにコストをかけたくないが、手は抜きたくないというジレンマを抱えているメーカーが多いという。Sony Ericsson製「Xperia X10」のTimescapeやMediascapeのように、自前のUIを採用する例もあるが、これはUI自体が端末のキーコンセプトに関わる場合が多い。UIの構築に時間とコストをかけたくないメーカーにとって、NetFront FlexUIは解決策の1つになりそうだ。また、説明員は「NetFront FlexUIは、Flashデザイナーが自分の作品を手軽に世に送り出すための一助になる」とも話していた。
NetFront Document Viewerは、Android向けとしては数少ない、Microsoft Officeのファイルを閲覧できるソフトウェア。Word、Excel、PowerPointファイルをサポートする。マルチタッチには対応しておらず、アイコンをタップして拡大/縮小をする。「マルチタッチはOSとアプリの両方が対応している必要がある」(説明員)。ページ送りもアイコンから行える。スクロールも滑らかで、複数のページにわたるPowerPointもストレスなく閲覧できた。
NetFront Document ViewerでWord、Excel、PowerPointファイルを閲覧
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NetFront Widgetsは、HTMLやCSS、JavaScriptのように、あらゆるプラットフォームで応用できるウィジェット。ニュースや天気予報、地図、メモなどのコンテンツが提供される。「ほかのプラットフォームに移植できる環境を提供することが狙い。メーカーやキャリアごとのカスタマイズが容易に行える」(説明員)という。あらかじめウィジェットの端末にプリインストールするか、Androidマーケットで配布する形にするかは検討中とのこと。既存のAndroidウィジェットを併用して同じ画面に表示させることも可能だ。
上記の3製品とNetFront Browserは「2010年1月末から端末メーカーに営業をかけている」(説明員)とのこと。NetFrontシリーズは、Windows AutomotiveやWindows Mobileなど、Android以外のOSにも提供される予定。将来的には、ホームネットワークを用いてAV機器や家電を連携させられる「DLNA(Digital Living Network Alliance)」に準拠したミドルウェア「NetFront Living Connect」や、電子書籍ビュワー「NetFront Book Viewer EPUB Edition」も順次開発し、一般ユーザー向けにダウンロード販売を行う見通しだ。
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