総務省は6月21日、MVNOサービスを提供するスマートモバイルコミュニケーションズに対する行政指導を行ったことを発表した。
同社のMVNOサービス「Smart Mobile Phone」における業務に、電気通信事業法や関連するガイドライン等に規定している消費者保護規律に違反する事案などが認められたとしている。
総務省によると、同サービスに関して総務省や全国の消費者生活センターに苦情相談が寄せられていたという。消費者保護の強化のために電気通信事業法を改正した2016年5月以降から、同省担当者はスマートモバイルコミュニケーションズに対する苦情を確認しており、「中でも目立っていた」という。
それらの苦情相談から、
などが認められたとしている。
これらの事案は、電気通信事業法に規定する消費者利益の保護の趣旨や、説明義務、苦情等処理義務に違反していると認められるほか、不実告知の禁止、媒介等業務受託者に対する指導措置義務に違反していると疑われるものだとしている。
こうした違反内容に関し、「利用者利益の保護のための適切な措置が講ぜられていたとは認められないため、速やかに適切な措置を講ずること」「解約手続の運営方法の改善等を徹底すること」と、解約手続きに関するトラブルの再発防止措置を求めている。
また、指導の中で「卸元であるMNOのサービスの品質を殊更に強調して説明することは、消費者が、本件サービスが当該MNOのサービスと同等であると誤認するおそれがある」「端末の支払いが実質0円であることを殊更に強調し、無料、プレゼント等と説明することは、消費者に端末の割賦契約が締結される旨が正しく認識されず」とあることに関して同省担当者は、「寄せられた苦情を分析すると、消費者が販売現場でそのような説明を受けたのではないかと推測できる。そのため、指導内容の留意事項に盛り込んだ」と話した。
スマートモバイルコミュニケーションズの広告担当は「正式なコメントを掲載するまで、回答は差し控える」としている。
MVNOサービスをめぐっては、 4月に国民生活センターから「こんなはずじゃなかったのに!“格安スマホ”のトラブル−料金だけではなく、サービス内容や手続き方法も確認しましょう−」と題した注意喚起が発表された。
注意喚起の直後にはMVNOサービス「FREETEL」を運営するプラスワン・マーケティングに対して、景品表示法に違反していたとして、総務省が行政指導、消費者庁が措置命令を下している。
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