XiaomiがKDDI向けに日本で投入した「Redmi Note 10 JE」は日本向けにFeliCaを搭載、防水にも対応し、プロセッサはSnapdragon 480を採用します。KDDI向けにもかかわらず、わざわざ日本向けのハードウェアを開発するとは、Xiaomiの日本市場にかける意気込みが伝わってきます。
このRedmi Note 10 JEにはベースモデルがあります。グローバルで販売されている「Redmi Note 10 5G」です。筆者の居住する香港ではこのRedmi Note 10 5Gは7月頭の発売直後から大きな人気になっています。5Gスマートフォンとして最低価格、1599香港ドル(約2万2600円)で単体販売されているだけではなく、発売直後は期間限定で「Miスマートバンド6」(香港では299香港ドル、約4200円)が無料進呈されたのです。2万円台前半で5G端末が買えて、スマートバンドも手に入るとなれば、人気になるのは当然でしょう。
グローバルモデルはプロセッサがMediaTekのDimensity 700を搭載します。また防水は非対応。ディスプレイとインカメラは同じで6.5型、800万画素です。筆者は日本モデルをまだ写真でしか見たことがありませんが、本体サイズがほぼ同じですし、正面から見たデザインはグローバル版と日本版の差はなさそうです。
日本版はグラファイトグレーとクロームシルバーの2色が発売されました。グローバルモデルはそれに加えてオーロラグリーン、ナイトタイムブルーの4色展開となっています。無難な灰色と銀色も悪くありませんが、緑や青もいい感じの色合いです。なおFeliCaは搭載していませんから、背面にはFeliCaマークはありません。
本体サイズと重量はグローバル版が75.34(幅)×161.81(高さ)×8.92(奥行き)mm、190g。日本版は約76(幅)×163(高さ)×9.0(奥行き)mm、約200g。防水対応にしたために若干サイズが大きくなり、重量も10g増していると思われます。しかしこのくらいの差であれば、TPUケースなど柔軟性のあるケースはグローバル品でも装着できるかもしれません。
カメラは4800万画素+200万画素のマクロと200万画素の深度測定で同じです。カメラのUI(ユーザーインタフェース)は一般的なスマートフォンにある倍率変更の表示がないのがちょっと不思議に思えます。画面を指先でピンチアウトまたはボリュームボタンにズームを割り当てデジタルズームが可能。写真はデジタル10倍、動画はデジタル6倍までに対応します。
価格が安いにもかかわらず、ディスプレイのリフレッシュレートは90Hzに対応。最近では90Hzがスマートフォンの標準になっているのでしょうね。プロセッサは低スペックですが、SNSやWeb検索の画面スクロールでもたつくことはありません。5G入門機として魅力的な端末といえます。
各メーカーのスマートフォン新製品は低価格モデルも5G対応品が増えてきました。通信キャリアとしても既存の4Gユーザーが格安な5Gスマートフォンに乗り換えてくれれば、5G対応の新しいサービスをより多くのユーザーに提供できます。Redmi Note 10 5Gはキャリアのそんな意向をくみ取れる製品であり、先進国でも2021年は隠れたベストセラーになるかもしれません。日本向けのRedmi Note 10 JEが日本の5Gユーザー増にどこまで寄与するか、気になるところです。
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