「史上最速、史上最軽量のFirefox」――Mozilla JAPANは、Webブラウザ新版「Firefox 3」を日本時間の6月18日午前2時に、Webサイトで公開する。2よりも処理速度を高めたほか、アドレスバーからアクセス履歴を検索できる機能などを追加した。
レンダリングエンジンは「Gecko 1.9」にバージョンアップし、JavaScriptのエンジンも最適化した。Javascriptベンチマーク「SunSpider」の測定結果によると、JavaScriptエンジンはInternet Explolerの9.3倍高速という。
「Gmail」ならログインが2倍、メッセージの読み込みと表示が2〜3倍に高速化したといい、「史上最速のFirefox」(Mozilla Japan技術部の中野雅之さん)としている。
メモリ管理機能も改善。長時間続けて使用したときのメモリ消費量を最小限に抑えられるよう設計し、「史上最軽量のFirefox」としている。
新たに、アドレスバーでブックマークや履歴を検索する機能「スマートロケーションバー」を追加した。例えばアドレスバーに「music」と入力すると、履歴やブックマークの中から、タイトルやURLにmusicを含むページを一覧表示する。
ブックマークにも新しい機能を搭載。アドレスバーの横に表示する星マークをクリックするとブックマークでき、ブックマークしたサイトにタグを付けて管理する機能も加えた。
アドオンの管理画面で好きなアドオンを検索し、ワンクリックで追加できる機能も備えた。ただし、日本語版のFirefoxのアドオン管理画面に表示できるのは日本語のアドオンのみ。
フィッシング詐欺サイト警告機能に加え、マルウェアに感染する可能性があるサイトについて警告する機能を追加。フィッシングサイトとマルウェアサイトのデータベースは30分ごとに自動更新する。
NTTと三菱電機が共同開発した暗号化技術「Camellia」にWebブラウザとして初めて対応したほか、ロケーションバー左端にあるアイコンをクリックすると暗号化状況を確認できる機能を追加。EV SSL証明書を発行しているサイトであれば、サイトを運営している企業名などをポップアップで表示する。
Firefoxの日本でのシェアは11.8%。「ユーザー層はエンジニアなどを主体としていたが、一般ユーザーにも徐々に浸透してきた」とMozilla Japanの瀧田佐登子代表理事は話す。
「製品のリリースがゴールではない」――瀧田代表理事は今後の目標を2つ挙げる。
1つは日本ユーザーの声をエンジニアに届けること。「Firefoxのようなオープンソースソフトの良いところは、エンジニアにユーザーがリクエストしたり、意見を言えること。Firefoxの本拠地は米国にあるため、言葉のギャップもあるが、日本ユーザーとエンジニアをMozilla Japanがつないでいく」という。
もう1つは「日本のもの作りのベースになっていくこと」と話す。「オープンソースソフトの活用は日本の企業にとってハードルが高いかもしれないが、Firefoxの技術を活用したネットデバイスを増やしていきたい」と話した。
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