NTT(持ち株会社)は4月1日、NTT東西地域会社、NTTドコモとそれぞれ行う予定だったネットユーザーのモニター調査を中止すると発表した。調査内容にはモニターが使用するPCのWebブラウザに表示されたHTML情報を同社が取得することも含まれ、利用目的が不明確なまま個人の重要情報やプライバシーに関する情報を取得されるおそれがあるとして、手法について批判が相次いでいた。
NTTは「モニター参加者のプライバシーが守られない可能性があるなどの意見がSNS上で多数掲載され、安心して参加いただくために見直すべき点があると判断した」ため中止を決めたと説明している。
モニター調査は、ユーザーのPCやスマートフォンに専用アプリをダウンロードしてもらい、端末情報やログなどを取得し、「多様な端末環境におけるネットワークのご利用状況の客観的把握および、多様な端末環境における情報収集技術の開発と検証」を行うのが目的。報酬としてモニターにはフレッツポイントなどを支払う。3月からモニターを募集し、4月〜7月に調査を行う予定だった。
説明によると、スマートフォンの場合は位置情報や端末情報、閲覧URL、通話時間などを取得する。PCの場合は、端末情報や閲覧したページのURLに加え、Webブラウザに表示されたHTMLファイルをhttps通信時にも取得するとしていた。
HTMLの取得時は、主なネットバンクやSNS、Webメールなどの情報は取得しないよう設定してあるという説明で、またユーザーがあらかじめ設定しておけば、クレジットカード番号などを取得しないようにできるとしていたが、つまりユーザーが設定しないとカード番号などを収集される可能性があるということになる。NTTはカード情報を万一取得しても、NTTが活用することはないなどと説明していた。
調査で収集するデータが広範囲に及ぶ上、データの使用目的も不明確なまま、金融系などの重要情報やWebメールの内容などプライバシーに関連する情報が収集されるおそれがあることから、調査手法について批判する声がTwitterなどで上がり、炎上状態になっていた。
3社は「モニターにご応募いただいた方々をはじめ、お客さまにはご心配、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。モニターに応募したユーザーには、各社から個別に連絡する。
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